談合防止の取り組みに関するアンケート調査結果と提言

2007年10月18日
株主オンブズマン

I 調査目的と調査対象
 入札の公正、公平を阻害する談合行為は、刑法(第96条の3第2項)、独占禁止法、入札談合等関与行為防止法などの法律や、会社のコンプライアンスに関する行動基準に違反し、国民の税金を無駄づかいして不正な利益を得るものであり、株主からみても国民からみても許されない反社会的行為である。
 当会は、株主の立場から企業の社会的責任と情報開示等を求めて活動してきた市民団体として、近年、公共工事などの官公需事業において談合行為が続発していることに重大な関心を持ち、談合防止に向けた取り組みの徹底と談合の根絶を願う立場から、過去に談合行為で告発、排除措置命令および課徴金納付命令、営業停止などの法的措置を受けた企業が存在する建設(道路、電設、橋梁を含む)、鉄鋼、重工、電機総合、造船などの業界の上場企業225社に対して、アンケート調査を実施した。
今回の調査目的は、上記の業界に属する企業の独占禁止法と談合に関する認識を問うとともに、談合の防止と根絶に向けての取り組みの現状を把握し、併せて企業倫理の徹底と法令遵守を促すことにある。


II 調査内容
問1. 改正独禁法(06年1月施行)の談合抑止効果について
問2.改正独占禁止法施行後の取り組みについて
問3.ゼネコン大手4社の談合決別の申し合わせについて
問4.独禁法見直し懇談会の報告における違反金(現行課徴金)について
問5.談合組織からの離脱あるいは談合組織の解散の有無について
問6.談合防止の取り組みの株主や社会への開示について
問7.談合防止の取り組みの開示の仕方について。
問8.談合防止の定款の新設ないし変更の可能性について
問9.談合行為の弊害について
問10.一般に談合事件が絶えない原因について
問11.談合防止とその徹底のために重視していることや取り組んでいることについて

III 調査期間と回答率
 2007年7月18日に220社に調査用紙を送付し、8月31日を締め切りとして回答をお願いした。その後調査漏れが判明した13社に対して、9月20日に追加的に調査用紙を送付し、あらためて10月14日を締め切りに回答をお願いした。第一次発送分のなかには確認の不備から調査対象企業でない若干の非上場企業が8社含まれていた。それらを除いて、結局、合計225社の調査対象企業のなかで109社から回答をいただいた。回答率は48.4%であった。


IV 調査結果の概要

1 改正独禁法の談合抑止効果について

 この質問では、2006年1月4日より施行された、課徴金の引き上げ、課徴金減免制度および犯則調査権限の導入などを柱とする改正独占禁止法の効果についてどう思うかを尋ねた。
 回答結果は、全体の9割にあたる98社(89.9%)が「a 談合の抑止効果はある」と答えた。「c 談合の抑止効果は未知数である」と回答したのは11社(10.1%)にすぎなかった。 「b 談合の抑止効果はない」および「d その他」と回答した企業はなかった。これからみて調査対象企業の大多数が先の独禁法改正を重く受け止め、談合防止についてあらたな対応を迫られているという認識をもっていることがわかる。

図1 改正独禁法の談合抑止効果
図1 改正独禁法の談合抑止効果

2 改正独占禁止法施行後の取り組みについて

 この質問では、2006年1月4日より改正独占禁止法が施行されたもとで、この法律改正を受けて現在までおこなった取り組みについて尋ねた(複数回答可)。
 回答結果は、90社(82.6%)が「b コンプライアンス体制を強化した」、35社(32.1%)が「c 談合防止プログラムを策定または強化した」、33社(30.3%)が「e 社員に誓約書を提出させた」と答えている。最も積極的な対応と考えられる「d 談合訣別の申し合わせをした」と、最も消極的な対応と考えられる「a 特別な取り組みはしていない」がそれぞれ同数の12社(11.0%)あった。
 「f その他」と答えた17社(15.6%)のなかには、「談合排除を取締役会で決議した」という企業(東急建設)や、「法令遵守の徹底について社長通達を社内に発した」という企業(鈴縫工業、大林組、大林建設)や、「疑いを招くような会合には一切出席しない旨を申し渡した」という企業(オリエンタル建設)もある。「f その他」に関連して、17社中11社(64.7%)が社内研修会や講習会を開催したと付記している。
 この回答を先の問1の「改正独占禁止法施行後の取り組みについて」の回答と併せて考えると、独禁法改正が企業の談合についての認識と談合防止の取り組みに大きな影響を与えていることが窺われる。

図2 改正独占禁止法施行後の取り組み(複数回答可)
図2 改正独占禁止法施行後の取り組み


3 ゼネコン大手4社の談合決別の申し合わせについて

 この質問では、2005年12月末に、ゼネコン大手4社(鹿島、大成建設、大林組、清水建設)が改正独禁法の施行(2006年1月4日)に合わせて、今後入札談合を行わないことを申し合わせたと報道されていることを、どのように受け止めているかを尋ねた(複数回答可)。
 回答のなかには「a そんな申し合わせがあったことは知らない」と答えた企業が6社(5.5%)あったが、82社(75.2%)にのぼる大多数の企業は、当該申し合わせがなされた理由を、「b 法改正で制裁が強まったためだと思う」と答えている。 これは独禁法の改正でゼネコン業界は厳しい対応を迫られているという認識を、これまで談合体質が問われてきた調査対象企業の多くがもっていることを示すものとして注目される。この申し合わせに対する反応としては「スーパーゼネコンだからできたことだと思う」という見方も少なくないと予想されたが、そう思うと答えたのは4社(3.7%)にとどまっている。他方、「d これ以降4社は談合を行っていないと思う」と答えた企業は16社(14.7%)を数える。「e これによって4社が談合を止めるとは思はない」という答えた企業は3社(2.8%)にすぎない。
 「f その他」と答えた企業のなかには、「スーパーゼネコンに限らず、ゼネコンとして襟を正すべき時代だと思う」と注記した企業(南海辰村建設)や、「このような報道がなされること自体が、競争法運用強化の流れを示しているものと感じる」と注記した企業もある。冷ややかな見方としては、「まだ評価ができる段階ではない」「末端までの浸透に時間がかかるのではないかと感じた」という注記もある。

図3 ゼネコン大手4社の談合決別の申し合わせ(複数回答可)
図3 ゼネコン大手4社の談合決別の申し合わせ

4 独禁法見直し懇談会の報告における違反金(現行課徴金)について

 独禁法における課徴金については、2005年改正によって、大企業は製品売上高の10%(従来は6%)、中小企業は4%(従前は3%)に引き上げられ、その附則において施行後2年以内に見直しを行うと規定されていた。この質問では、2007年6月26日に発表された独禁法見直しのための懇談会(内閣府)の報告書で示唆された、違反抑止のための違反金(現行課徴金)の引き上げについてどう思うかを尋ねた。
 回答結果は、「a 引き上げるべきではない」とこたえた企業は8社(7.3%)で1割に満たない。他方「b 引き上げることはやむを得ない」と答えている企業は57社(52.3%)にのぼる。このことは、関係企業の過半数が談合抑止効果を高めるために課徴金の引き上げもやむを得ないと考えていることを示すものとして注目される。ただし、明確な態度を示さず、「c どちらともいえない」を選択した企業が40社(36.7%)ある。
 「d その他」のなかには「現行の課徴金は十分な水準であると思う」あるいは「2006年改正による引上げ効果を十分に検証してから論ずべき」という注記も見られる。

図4 独禁法見直し懇談会の報告における課徴金の引き上げ
図4 独禁法見直し懇談会の報告における課徴金の引き上げ

5 談合組織からの離脱あるいは談合組織の解散の有無について

 この質問では最近3年間(2004年4月から現在まで)に、それまで参加していた談合組織から離脱、あるいはその組織が解散したことがあるかどうかを尋ねた。
 2005年に発覚した橋梁談合では複数の談合組織の存在とその解散が報じられたが、最近3年間に談合組織を離脱または解散したことが「a ある」と答えた企業は35社(32.1%)にのぼる。他方、「b ない」と答えた企業と「c どちらともいえない」と答えた企業がそれぞれ10社(9.2%)あった。「ない」と答えた企業は,質問の仕方があいまいであったために、もともと談合組織に加わっていなかったのか、加わっているが離脱・解散したことがないのか判然としない。
 回答で最も多かったのは、「d その他」の51社(46.8%)である。このうち36社(全回答の33.0%)は元々談合組織に参加していないことを注記している。残る15社に「どちらともいえない」と答えた企業を加えた25社は、現時点で談合組織に関与しているのか、あるいは関与していないのか明らかではない。なお、熊谷組は、「どちらともいえない」と答えたうえで、「現在は半三者から見て疑義を持たれかねない会合等への参加を含めて、一切談合への関与を行っていない」と注記している。

図5 談合組織からの離脱あるいは談合組織の解散
図5 談合組織からの離脱あるいは談合組織の解散


6 談合防止の取り組みの株主や社会への開示について

 この質問では、談合防止の取り組みに関して株主および社会に開示しているかどうかを尋ねた。
 回答結果は、「a 開示している」と答えた企業は全体の半数の54社(49.5%)である。「b 開示していない」と答えた企業が34社(31.2%)に、「c どちらともいえない」と答えた8社(7.3%)、および「d その他」13社(11.9%)を加えると、全体の半数の55社(50.5%)を数える。
 「b 開示していない」と答えたなかには、コンプライアンスの取り組みについて開示しているが、談合防止に限定した開示はしていないと注記した企業がいくつかある。また、談合に関与していないという理由で「開示していない」と答えた企業もある。

図6 談合防止の取り組みの株主や社会への開示
図6 談合防止の取り組みの株主や社会への開示


7 開示企業の談合防止の取り組みの開示の仕方について

 この質問では先の質問で〔a 開示している〕と答えた54社に談合防止の取り組みの開示の仕方について尋ねた(複数回答可、54社に対する比率)。
 回答結果の内訳は、多い順に「c 株主総会招集通知および総会事業報告で説明している」33社(66.1%)、「b ホームページで開示している」35社(64.8%)、「a CSRまたはコンプライアンスに関する冊子で説明している」23社(42.6%)、「d その他」6社(11.1%)であった。開示している54社のうち7社はここで質問した三つの開示方法のすべてを、22社はいずれか二つの方法を、19社はいずれか一つの方法を、6社は「その他」の方法を実施している。
 「その他」の方法として、注記で東京証券取引所ホームページやコーポレートガバナンス報告書を挙げている企業もある。

図7 開示企業の談合防止の取り組みの開示の仕方(複数回答)
図7 開示企業の談合防止の取り組みの開示の仕方


8 談合防止の定款の新設ないし変更の可能性について

 この質問では、大林組が本年6月の株主総会において定款に談合行為は一切行わない旨の条文を新設したことに関連して、これと同趣旨の定款の新設ないし変更を行うことはありか尋ねた。「a ありうる」と答えたのは1社(0.9%)のみで、21社(19.3%)は「b ありえない」、69社(63.3社)は「c どちらともいえない」と答えている。
 「d その他」と答えた16社(14.7%)のうちには「談合根絶の強い意思表明の手法と受け止めているが、このような条文が定款に馴染むものかどうか検討が必要」と注記している。他のいくつかの企業もそれぞれ「定款に規定する以前に法令遵守は当然のこと」、「法令遵守は定款以前の問題」、「コンプライアンスへの取組みによって談合防止を図ってゆきたい」、「他の方法で遵法は十分可能」などと注記している。

図8 談合防止の定款の新設ないし変更の可能性
図8 談合防止の定款の新設ないし変更の可能性


9 談合行為の弊害に関する認識について

 この質問では談合行為の弊害について認識を尋ねた(複数回答可)。
 弊害についての選択肢の回答結果を比率の高い順に並べると、(1)「b 発注する官庁と受注する業界のあいだに癒着を生み、入札の公正を阻害する」76社(69.7%)、(2)「d 競争妨害で不当な利益を得ることが体質化し、公正なビジネスにおける競争力を阻害する」72社(66.1%)、(3)「a 公共調達の受注価格が高い水準で決まり、 発注機関および納税者に損害を与える」65社(59.6%)、(4)「c 公共入札の指名をめぐり業者と政治家および役人の間で贈収賄が生ずる恐れがある」55社(50.5%)となる。
 これらは、公共事業の談合が公正取引委員会やマスメディアなどで指摘されてきた弊害をもっていることを、これまで談合体質が問われてきた業界の諸企業も否定できないか、あるいは似たような認識を共有していることを示している。
 「e その他 」と答えた1社(0.9%)は「公共調達の受注価格が不適切に決まり、納税者および利用者に損害を与える」と注記している。これは、 選択肢aと比較すると公共調達の受注価格が「高い水準で決まる」とは限らないが、「不適切に決まる」という認識を示したものと推察される。

図9 談合行為の弊害に関する認識(複数選択可)
図9 談合行為の弊害に関する認識


10 一般に談合事件が絶えない原因について

 この質問では一般に談合事件が絶えない原因についてどのようなことが考えられるか尋ねた(複数回答可)。
 原因についての選択肢の回答結果を比率の高い順に並べると、(1)「a 遵法精神の欠如」75社(68.8%)、(2)「d 会社の利益のためには談合もやむを得ないという考え」68社(62.4%)、(3)「b コンプライアンス体制の欠陥」66社(60.6%)、(4)「e 発注機関の職員が関与する官製談合に主要な原因がある」49社(45.0%)、(5)「c 日常の社員教育の不徹底」46社(42.2%)、(6)「f 公益通報(内部告発)の社内制度の不備」7社(6.4%)、(7)「g 取締役会の機能不全」6社(5.5%)、(8)「h 監査役制度の不備」5社(4.6%)となる。
 調査対象の半数に近い企業が、「e 発注機関の職員が関与する官製談合に主要な原因がある」と答えていることは、公共工事の談合の弊害に関する前の質問で「発注する官庁と受注する業界のあいだに癒着を生み、入札の公正を阻害する」という回答が約7割を占めていたことと併せて、官製談合と官民癒着の体質の根深さを示している。
 「i その他」と答えた8社(7.3%)のなかには、注記で現行の入札制度に関して、「一部、制度改善がなされているものの、最低価格入札者が自動的に落札者となる基調は変わっておらず、根本的な調達制度の改革が必要」とする企業や、「公共調達制度に内在する制度的欠陥(必要なもの、技術的利用により購入したいものであるにもかかわらず、機能、性能評価と離れて形式的に価格入札で調達されている実態がある)としている企業や、「JV(共同企業体)制度等の公共調達制度の構造的な問題」を指摘している企業もある。

図10 一般に談合事件が絶えない原因(複数回答可)
図10 一般に談合事件が絶えない原因


11 談合防止とその徹底のために重視していることや取り組んでいることについて

 この質問では、調査対象企業が談合の防止とその徹底のために特に重視していることや取り組んでいることがあれば記述式で回答いただいた。以下に主だった回答を掲げておく。
  • 入札案件および入札価格の決定権を営業部門から分離。営業部門に対する定期的な内部監査の実施。社員教育のコンプライアンス強化(松尾橋梁)。
  • 官庁発注工事の受注は営業部門のみに委せず、他の部門が価格決定に関与する仕組みに改めた。また、この仕組みが適正に運用されているかにつき監査を行っている(トピー工業)。
  • (1)社長より全社員に対する「入札談合禁止宣言」(平成17年9月)、(2)内部監査室およびコンプライアンス室設置(平成17年6月)、(3)独禁法違反者に対する懲戒規定の強化(平成18年4月)(高田機工)。
  • 談合行為をとりやめていること、今後行なわないことを取締役会で確認するとともに、独禁法の遵守について階層別研修を実施していく(南海辰村建設)。
  • 「入札談合防止方針」「入札談合防止規定」を制定し、全管理職が誓約書を提出し遵守している。また、コンプライアンスに関する研修を充実させている(前田建設工業)。
  • 談合をしない旨を取締役会で決議、これを受け、独禁法の遵守に向けた行動指針、独禁法マニュアルの作成、独禁法違反行為に対する処分規定および社内通報制度の整備を進めている。また、同内容の役職員への周知徹底と営業担当者向けの定期的研修を計画している(矢作建設工業)。
 ほかには「コンプライアンス教育の強化」、「内部通報制度の活用」「監査室による営業部への定期的な内部監査を実施」、「企業理念・行動規範の周知・徹底」、「CSR委員会の設置」、「談合防止専門委員会の設置」、「企業憲章の制定(行動規範、コンプライアンス遵守)」などを挙げている企業が多い。
 なお、相次ぐ談合の摘発で厳しい対応を迫られた大林組は、次のように記入している。
 「当社においては、平成18年1月の独占禁止法改正を機に、法令遵守の徹底に関する社長指示を発して以降、それまでの施策に加えて、新たな追加策を盛り込んだコンプライアンス・プログラムを作成し、全社を挙げて法令遵守を図っております。同プログラムでは、あらゆる機会を通じた経営トップ層による法令遵守の表明、定期的な研修の実施などに加えて、「させない仕組みづくり」として、誓約書の徴収、電話やメールを含めて同業者との会合に出席した場合の上司への報告、工事応札時の応札経過や金額根拠についての担当者への確認、積算とその妥当性についての担当者への確認などを義務づけるとともに、監査役会とコンプライアンス室による外からのモニタリング強化や内部通報制度による相互監視の仕組みを構築しております。これからも、「コンプライアンス・プログラム」を一つ一つ確実に実行していくことが重要であると考えており、社内への早期定着を図るために、本年4月の一ヶ月をかけて全ての役職員を対象とする「職場内倫理研修とeラーニング」を実施いたしました。また、本年6月28日の提示株主総会において、法令遵守に向けた強い決意を定款に定めました。企業倫理を含めたコンプライアンスに対する意識の一層の徹底を図るとともに、健全な企業風土を創り上げていく礎にしたいと考えております。 今後もプログラムの実践、検証、改善のサイクルを確実に回すことで、社内のすみずみに至るまでコンプライアンスの徹底を図っていきたいと考えております」。
 問11の記述回答からも、今回の調査対象企業の多くが、近年の独禁法改正や、橋梁談合をはじめとする一連の談合事件の発覚・摘発を受けて、談合防止とコンプライアンスの徹底に向けて体制作りを強めていることが窺われる。しかし、そういう企業を含め、談合防止や談合決別の取り組みが実効を挙げるどうかは、「入札案件および入札価格の決定権を営業部門から分離する」などの談合防止のための機構改革と、全社あげての監視・点検・実践にかかっている。


V 談合防止の徹底を図るための緊急提言

 株主オンブズマンは、今回の調査結果を踏まえ、談合防止の徹底を図り、談合決別を確固としたものにすることを求めて、以下の提言を行うものである。

 経営者、とりわけトップは毎事業年度の株主総会において、談合をしない・させない旨を宣明し、もし在任中に談合行為があった場合には責任をとって辞任することを誓約する。

 近い過去に談合行為で告発、排除措置命令、課徴金納付命令、営業停止などの法的措置を受けた企業は、定款に「企業倫理の徹底と法令遵守に努め、刑法、独占禁止法に違反し、入札の公正、公平を阻害する談合行為等を行わない」という旨の条文を新設する。

 入札をともなう官公需の受注に参加する企業は、入札価格の決定権を営業部門から分離し、談合防止の徹底をはかるために営業部門に対する厳格な内部監査を定期的に実施する。

 内閣府および公正取引委員会(公取委)は、多数の企業が独占禁止法の談合防止効果を高めるために課徴金(違反金)の引き上げをやむを得ないと認識していることを示す本調査結果を踏まえ、制裁金賦課額を国際的水準まで引き上げ、繰返し違反行為を行った場合の課徴金額の割増加算を強化する方向で独占禁止法の見直しを行う。

 日本経団連は、2005年の独占禁止法の改正に際して公取委の独禁法改正案に猛反発を示し、現状においても課徴金の引き上げに反対しているが、違法行為の根絶と公正かつ自由な競争の実現のために、競争のルール違反に対する制裁の強化を受け入れ、そのための制度改革に取り組むべきである。

 公共工事を受注するゼネコン業界は毎年、日本経団連の肝いりで「国民政治協会」などの自民党の政治資金団体に巨億の政治献金を行ってきたが、ゼネコンのみならず、官公需の受注に参加する企業は、業者と政治家および役人の癒着の温床となる政治献金は行わない。

 過去に談合行為で法的措置を受けた企業にとどまらず、入札をともなう受注に参加する企業は、公益通報者保護法の趣旨に沿って、社外の顧問先でない法律事務所に通報窓口を設置するなど、公益通報(内部告発)の仕組みを整備し、談合に関わる違法・不正行為の速やかな発見と抑制・防止に努める。


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