西松建設ダミー政治献金事件の株主代表訴訟に向けて提訴請求書を送付しましたので、以下に掲載します。
2009年7月28日


会社法847条1項に基づく責任追及 の訴え(株主代表訴訟)の提訴請求書

 冠省
 当職は、貴社の株式(1単元)を6ヵ月以上の期間継続して保有している株主である三宅陸郎氏の代理人です。
 貴社は、後記各政治団体や政治資金団体、並びにパーティー券購入のため政治団体として新政治問題研究会(1995年11月1日設立、2006年12月15日解散)、並びに未来産業研究会(1999年6月3日設立、2006年11月30日解散)を設立し、政治献金等をなしてきたものです。
 貴社が両政治団体を設立した目的は、貴社が国や自治体からの公共工事の受注上の有利な取扱いがなされるよう、あるいは受注上不利益な取扱いがなされないよう、受注上影響力のある政治団体や資金管理団体に対し政治献金等をなすことにあります。 両政治団体から支出された政治献金に必要な資金は、その会員となった貴社の一部の社員、あるいはその家族が寄付したように装っていましたが、実際は、貴社が会員となった社員に特別賞与加算金名下に支出していたものです。
 両政治団体は、貴社からの政治献金等の支出を隠ぺいするために貴社において設立した実体のない政治団体であり、貴社の退職者がその代表者に就いていたものです。 従って、両政治団体は貴社が政治献金をするためのダミー政治団体であり、両政治団体名義の献金は、実際は貴社による献金であり、政治資金規正法違反の刑事罰の対象となる、他人名義による献金に該当するものです。
 貴社が特別賞与加算金名下に社員を経由して、両政治団体存続時において支出した金員の合計は11億円(社員に支給した特別賞与加算金についての源泉徴収税額等も含む)に及んでいます。
 また、両政治団体は、架空の政治資金パーティーを主催し、そのパーティー券の代金名下に、貴社は両政治団体に平成12年以降、合計5242万円の金員を支出しています。 貴社の両政治団体に対する支出は、公共工事上の受注のうえで利益を得る、あるいは不利益な取扱いをされないため、政治資金規正法に違反する他人名義での政治献金、あるいは政治資金パーティー券の対価の支払いになされたものであり、貴社から両政治団体に対する上記の合計11億5242万円の支出は公序良俗に反する違法な支出です。
 なお、両政治団体から、2004年から2006年までの間に政治資金団体、政治団体への献金や政治資金パーティー券の購入のために支出された金員の内訳は、判明しているもののみでも、別表記載のとおりとなっています(別表:PDF)。
 更には、株式会社が政治献金を行うことは、利益追及を目的とする株式会社の定款目的に反することは勿論のこと、国民個人のみが国政や地方政治について決定権を有するとする国民主権の理念にも反するものであり、この点からも貴社の両政治団体に対する支出は違法性を有するものです。
 両政治団体への支出については、その設立当時、社長室長であり、2003年6月に社長に就任した國澤幹雄が直接関与していたものです。
 また、貴社による両政治団体に対する資金の支出につき、両政治団体が設立された1995年以降在任したいずれの取締役も、國澤幹雄らと共謀するなどして関与し、あるいは取締役としての職務を通じその支出を認識し、認識し得る地位にあったにも拘らず、これを防止するに足りる法令遵守措置をとらなかったものであり、貴社に対し不法行為並びに善管注意義務懈怠の責を負うものです。
 よって当職は、株主である三宅陸郎氏を代理して、貴社において國澤幹雄はじめ1995年11月1日以降、両政治団体が解散された2006年12月15日までに在任した全ての取締役を被告として、貴社が両政治団体に社員らを経由して支出した11億円、並びに架空の政治資金パーティーのパーティー券代金として支出した5245万円の計11億5245万円につき損害賠償請求の訴訟を、本書面送達後60日以内に提訴することを本書面をもって請求します。
 なお、上記期間内に提訴されないときは、会社法847条3項に基づき責任追及の訴えを提訴することになりますので、御了承下さい。また、提訴しないときは、その理由を、書面をもって当職まで通知されるよう求めるものです。

2009(平成21)年7月28日

堺市堺区中瓦町1−4−27
小西ビル6階
三宅陸郎代理人
弁護士(代表) 松丸 正


東京都港区虎ノ門1丁目20番10号
西松建設株式会社
監査役 殿


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