神戸製鋼所橋梁談合株主代表訴訟 和解の報告

神戸製鋼所橋梁談合の株主代表訴訟で和解が成立しましたので、以下にその報告を掲載いたします。
2010年2月12日
株主オンブズマン


神戸製鋼所橋梁談合株主代表訴訟 和解の報告

平成22年2月10日

1 事案
 神戸製鋼所ら鋼橋工事業者47社は,長年,東日本の国土交通省地方整備局や日本道路公団が発注する鋼橋上部工事の競争入札において,K会やA会と呼ばれる入札談合組織を構築して違法な談合行為を行ってきたとして,公正取引委員会は,平成17年9月29日,神戸製鋼所に対し,独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)違反で排除勧告を行った(談合を行ったと認定されたのは,平成14年4月1日から平成16年10月29日まで。神戸製鋼所は,同日,入札談合組織から離脱。神戸製鋼所は,平成17年11月に橋梁部門から撤退することを表明。)。
 その結果,神戸製鋼所は,国や地方公共団体らから長期間の指名停止措置を受けて多額の受注損を被り,平成18年3月27日には公正取引委員会から総額金2億0146万円の課徴金納付命令を受けた(全額納付済み)。
 原告は神戸製鋼所の株主であるところ,神戸製鋼所の社長,会長,法務担当取締役,鋼橋工事部門担当取締役ら合計6名が,長年違法な談合行為を容認(黙認)して,談合を防止する真に実効性ある内部統制システム構築を怠ったとして,株主を代表して会社が被った損害(上記課徴金額)を会社に対して賠償するよう求めた(平成18年6月27日提訴)。

2 和解の内容 平成22年2月10日付けで和解成立。
(1) 神戸製鋼所は,本件橋梁談合事件の原因調査及び再発防止のために「談合防止コンプライアンス検証・提言委員会」を設置して提言を受け,1年以内に,その提言内容と再発防止策をホームページで公表する。このコンプライアンス委員会のうち3名は外部委員とし,うち1名は原告が推薦する弁護士から選任する。
(2) 上記役員ら6名は,会社に対し,連帯して解決金8800万円を支払う(3月末日までに)。

3 意義
 今まで不祥事企業は弁護士を入れて、外部調査委員会を設置して一応調査してきたが,この外部委員会はいわば身内の弁護士を入れての外部調査であった。今回のような株主が推薦する外部委員が入るやり方は透明性の観点から今後の不祥事企業の外部調査のあり方に関しての「モデル」となるはずである。
 橋梁談合事件については,東京地裁や大阪地裁でも同様の訴訟が提起されている(三井造船,住友機械重工業,三菱重工業,IHI,日立造船,住友金属)。既に昨年12月,大阪地裁での日立造船訴訟では,本件と同じように被告役員が会社に対して解決金を支払い,外部委員会を設置して原因調査や再発防止策を策定することを内容とした和解が成立している。これは昨年6月には大林組談合株主代表訴訟において,大阪地裁で成立した和解の内容に従うものであり,今回の和解もこの「大林組モデル」に沿ったものである。現在,訴訟中の他の訴訟の帰趨にも影響を与えるものと思われる。

4 連絡先
 弁護団としてのコメント(弁護団長)
  弁護士松丸 正 072−232−5188
 株主オンブズマン(弁護団員)
  弁護士阪口徳雄 06−6314−4188
 個別具体的な和解内容(弁護団員)
  弁護士由良尚文 06−6201−5111


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