声  明 文    (file.000121-01)


1.私達は、本日神戸製鋼の総会屋に対する利益供与事件などの一連の企業不祥事に対し、株主代表 訴訟を神戸地方裁判所に提訴しました。

  同社の利益供与事件では、刑事事件で起訴されたのは直近の3000万円の供与分のみにとどま っていますが、一連のマスコミ報道によれば、利益供与は長期間にわたりかつ巨額の供与がなされ ていたとのことで、しかも一担当取締役のみが荷担していたとは考えられません。本件は、経営ト ップも巻き込んだ企業犯罪でありこれまで噂されていた総会屋との黒い癒着の表面化にすぎず、同 社の経営体質に起因するものといわざるを得ません。しかし、同社はこれまで(1)なぜ、このよう な利益供与が長年にわたり続けられてきたのか(2)当時の取締役が、それに関与していなかったの か、なぜ、防止し得なかったのかなどその監督責任について株主や社会全体に対し、納得しうる説 明責任を果たしていません。(3)また、なによりも企業犯罪であるにもかかわらず、経営トップの 責任が明らかにされていません。他方、屑鉄を売却して裏金が作られ、それらの資金が総会屋やベ ネズエラの政治家に交付されたと報道された件についても、会社は、ひたすら沈黙し未だに株主ら に何らの説明責任も果たしていません。

2.総会屋と企業との一連の企業不祥事は平成8、9年に相次いで発覚し、国際社会から日本の風土 病ではないかと非難され、企業社会全体の健全化が求められ政府、経済団体、警察など我が国挙げ て総会屋の排除・絶縁に取り組んだところであり、総会屋などの反社会的勢力の絶滅は国民的悲願 であり課題であります。にもかかわらず、我が国を代表する企業が未だに手を切れず水面下で隠然 と癒着していたことの責任は重大であり、健全で公正な21世紀の社会作りに挑発するもので暴力 団排除活動に水を差すものといわざるを得ず到底許し難いものであります。

3.今回の株主代表訴訟の意義は

  第1に、なぜ、このような不祥事が発生したのか、なぜ長期間放置されたのか、その責任はどこ にあるのかなど公開の法廷で明らかにすることにあります(情報開示)。

  第2に、総会屋などの反社会的勢力の絶縁排除について、同社の体質や構造を明確にし企業社会 全体への警鐘として社会全体の健全化を求めることにあります(企業の健全化、総会屋などへのト ップの断固たる対決姿勢の確立)。

  第3に、会社に損害を与えた経営トップを含む取締役に損害を補填させ、企業の自浄作用を高め 再発防止のための効果的な企業の刷新・改革を公開の法廷で明らかにすることにあります(損失補 填とコンプライアンスの確立)。

 以上のことから私達は、この訴訟を広範な国民の理解や支持のもとで社会的意義を確認しつつ遂行 することを明らかにするものであります。

                     2000年1月21日

                      神戸製鋼株主代表訴訟弁護団一同


声明文(file.000121-01)終わり
□専門情報索引へ戻る。