取締役会議事録閲覧等許可申請書

   当事者の表示   別紙当事者目録記載のとおり

         申 請 の 趣 旨

一 被申請人が平成五年四月一日から平成一一年一二月末日までの間に開催した取締役会のうち、株
  式会社ホテルプラザに関する事項を議事として討議した取締役会の議事録
二 被申請人が平成一一年六月二九日以降、藤井桑正、中森久之、浦田孟信、各取締役の退職慰労金
  について討議した議事録
三 被申請人が平成一一年六月二九日から平成一一年一二月末日までの間に取締役の報酬、賞与等の
  減額について討議した議事録
 について申請人らが閲覧、謄写することの許可を求める。

     申 請 の 理 由

 一1 申請人らは被申請人の株主であり、六ヵ月以上前より所有する株主である。
  2 被申請人会社は資本金一八億円の放送等を目的とする株式会社である(以下「朝日放送」と
いう)。
3 株式会社ホテルプラザ(以下「ホテルプラザ」という)は、朝日放送が株式の八九%を保有し、
かつ取締役等にも役員を派遣する、いわゆる朝日放送の子会社である。
 二 被申請人会社とホテルプラザとの関係
1(一)株主に開示されている資料・マスコミ報道からみると、朝日放送のホテルプラザに対する貸付
金等は次のとおり年々増加している。
      (1)貸付金は
平成 六 年三月三一日     〇円
平成 七 年三月三一日    九億円
平成 八 年三月三一日   二四億円
平成 九 年三月三一日   二四億円
平成一〇年三月三一日   二八億円
平成一一年三月三一日  約四六億円
となっている。
(2)保証債務は
平成 五 年三月三一日      〇 円
平成 六 年三月三一日 二七・ 五 億円
平成 七 年三月三一日 三〇・ 五 億円
平成 八 年三月三一日 二五・八五億円
平成 九 年三月三一日 三一・ 一 億円
平成一〇年三月三一日 三八・三五億円
平成一一年三月三一日    五〇億円
となっている。
(但し、右(1)(2)の平成一一年の金額は新聞報道による。)
   (二)以上のごとく貸付金等が増大していったのは、ホテルプラザのここ数年の極めて深刻な
営業不振が原因である。
ちなみに、平成五年度から本年までの売上高・営業損失は次のとおりとなっている。
平成 五 年  一二,一〇六百万円
       (営業損失   四五四百万円)
平成 六 年  一〇,七三一百万円
               (営業損失   七二三百万円)
     平成 七 年   九,七三七百万円
               (営業損失   六八九百万円)
     平成 八 年   九,五六五百万円
               (営業損失  三四九百万円)
     平成 九 年   九,二六五百万円
               (営業損失  五六三百万円)
     平成一〇年   九,一一一百万円
               (営業損失  六二五百万円)
平成一一年  約七,五〇〇百万円
               (営業損失 約九〇〇百万円)
(但し、単位百万円/一一年度はマスコミ報道)
2(一)以上の経過をみると、平成五年度からは年々営業損失だけでも五〜七億円の損失であり、経常
損失(これは公表されていない)は、さらにこれを大幅に上回っていることは明らかである。よって、
通常経営人であるならば、平成六、七年段階にはホテル業からの撤退を真剣に検討し、将来、ホテル業
で好転することは客観的には不可能であったのであるから、その段階でホテルプラザを今回のように
営業を停止し、清算すべきであったのに、朝日放送経営陣はそれをせず、従前どおりホテルプラザを
援助し、朝日放送に損害を拡大させた。
(二)平成八年三月三一日段階におけるホテルプラザの負債総額は約一五六億円、総資産は約一二〇億円
強に達していた事実からみて、ホテルプラザは債務超過になり、いわば通常ならば破産寸前であったの
であるから、この段階ではホテルプラザへの援助・救済を通常経営者であるならば続行すべきでは
なかった。
(三)しかし、ホテルプラザの取締役ならびに朝日放送の取締役らは同ホテルを破産・清算する方向では
なく、平成八年七月頃、逆に「再建五ヵ年計画」なる稚拙・杜撰な再建計画を立案した。
同計画の内容は次のような内容であったと伝えられている。
 平成 九 年三月 一〇〇・三億円
     (営業損失 二・四億円)
 平成一〇年三月 一〇六・一億円
     (営業損失 〇・七億円)
  平成一一年三月 一〇八・二億円
     (営業利益 〇・二億円)
  平成一二年三月 一一一・二億円
     (営業利益 一・八億円)
  平成一三年三月 一一四・七億円
     (営業利益 四・二億円)
同計画の、年々営業収入を増加させることは「ホテル戦争」といわれる大阪では客観的には全く不可能
な計画であり、通常、経営者であれば、容易に不可能な計画であることが判明したはずであった。
しかし、朝日放送の取締役らは、前記のとおり貸付金や金融機関からの借入の保証債務を増大させ、
その損害を拡大し続けた。
(四)平成九年三月以降も右再建計画どおり実施することは不可能となったので、この段階で再建計画を
ただちに断念し、ホテルプラザの事業をただちに中止すべきであったのに、さらに事業を続行し、前記
のとおり朝日放送の損害を拡大した。
(五)平成一〇年三月以降に至ってはホテル事業の続行が、ますます朝日放送の貸付金等を増大させる
ことは確実であるのに、さらに本年三月までホテル事業を続行し、その損害額をさらに拡大・増大させ
た。
(六)以上のとおり、朝日放送の損害が拡大したのは、平成八年六月以降の朝日放送の取締役がホテル
プラザ側の稚拙・杜撰な計画を鵜呑みにし、ホテル事業を続行させ、もって貸付金や保証債務を拡大
していったことに起因する。
3 ホテルプラザの清算と朝日放送の損害の発生
   (一)平成一一年二月一〇日、朝日放送とホテルプラザの取締役会において、ホテルプラザを同年
三月三一日をもって営業を停止し、同社を解散する旨、決定し、その旨、実施した。
   (二)同ホテルプラザの清算に伴う朝日放送は特別損失として九六億円を計上した。
なお、右特別損失として計上する内訳は、マスコミ報道によると
@朝日放送のホテルプラザへの貸付金
四六億円
Aホテルプラザが金融機関から借入した際の朝日放送の保証債務分
五〇億円
があるからとなっている。
(三)さらにその後、朝日放送は、その他の金融機関等からの借入金についても保証し、既に一部弁済
したとも伝えられている。そうすると、ホテルプラザの債務超過額一一七億八千五百万円分も朝日放送
が負担するとのことになる。結局のところ朝日放送の実質損害額は、清算費用八億円もプラスすると
約一二五億円になると伝えられている。
 三 議事録閲覧の必要性
1(一)朝日放送が前記のとおり平成六年三月期においてホテルプラザへの保証債務が二七・五億円に
なっていることからみると、平成五年四月一日以降の朝日放送の取締役会において、どのような資料に
基づき、そのような議論の結果、保証債務をしたのか、明らかにされる必要がある。
(二)@ それ以降、前記二で述べたように、本年七月末までの間に、どのような資料に基づき、どの
ような討議の結果、貸付金等を増加させていったのか。
A 平成一一年二月一〇日の取締役会でホテルプラザを清算するに際して、どのような討議がなされ、
どのような理由に基づき、ホテルプラザの債務を全額、朝日放送が負担することを決定したのか。
 そして、現実にどのように代位弁済をしていったのか。その時の討議状況も必要とされる。
2(一)平成一一年六月、株主総会が開催され、藤井桑正元会長らに対する退職慰労金を支給することが
可決され、その額は取締役会に一任された。
申請人らとしては前記通知において、同人については退職慰労金相当額の損害を賠償すべき旨、通告
したが、株主代表訴訟のためにも同人の金額がいくらであったのか、知る必要がある。
 (二)株主代表訴訟の対象としなくとも、取締役の退任にあたっての慰労金は本来、株主総会で決議
すべき事項なのに、取締役会に一任する以上、株主は当然にそれを知る権利を有する。
3 さらに、株主総会後、各取締役の役員報酬、賞与について減額した旨、伝えられているが、平成
一一年七月から同年九月までは社長は三〇%、その他の取締役は二〇%減額し、さらに同年一〇月から
代表取締役は一五%、その他の取締役は一〇%、減額する旨、伝えられているが、いくらの金額に対し
前記のとおり減額したのか不明であり、それに対して株主は知る権利を有するので、閲覧請求する次第
である。
四 よって、申請人らは被申請人に対し、申立の趣旨記載のとおりの議事録の閲覧ならびに謄写を求め
て、本申立に及ぶ次第である。

                証 拠 方 法
  一、甲第一号証 平成一一年二月一〇日付朝日放送社報
 二、甲第二号証 平成一一年五月三一日付朝日放送社報
 三、甲第三号証 内容証明郵便
 四、甲第四号証 回答書
 五、甲第五号証 新聞記事
 六、甲第六号証 取締役の異動表
    添 付 書 類
 一、甲各号証写し                           各一通
 二、商業登記簿謄本              二通
 三、委任状                                    二通
 

              一九九九年一二月二七日

                            右申請人ら代理人
                               弁 護 士   豊   川      義   明
                               弁 護 士    阪   口   徳   雄
                  弁 護 士    池   田   直   樹

大阪地方裁判所民事部 御中

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