2001年5月2日
自由民主党
 総裁 小 泉 純 一 郎  殿
 
                   大阪市北区西天満4丁目6番3号
                    第5大阪弁護士ビル3階
                                         プロボノセンター
                                    株主オンブズマン
                     代表   森  岡  孝  二
                              (連絡先)
                                   大阪市北区西天満3丁目14番16号
                                      西天満パークビル3号館8階
                                    あさひ法律事務所
                                       弁護士  阪  口  徳  雄
                          Tel 06-6314-4188・Fax 06-6314-4187


            要  求  書

 貴党におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 株主オンブズマンは、株主の立場から企業の監視活動を続けている市民団体です。
 さて、本年7月に参議院議員の選挙が実施されます。これに向けて貴党が日建連加盟のゼネコン各社に対して政治献金の要請を
 した旨伝えられています。
 ところで、公職選挙法は次のとおり定めています。

  第199条@ 衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、・・・・・・・・・・・・・・・・・、請負その他特別の
 利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。

  第200条@ 何人も、選挙に関し、第199条に規定する者に対して寄附を勧誘し又は要求してはならない。
       A 何人も、選挙に関し、第199条に規定する者から寄附を受けてはならない。
 
 248条、249条は上記の法律に違反して寄附をした者ならびに受けた者、更には寄附を勧誘し又は要求した者は「3年以下
 の禁錮又は50万円以下の罰金に処せられる」ことになっています。
  199条は「選挙およびその後の政治面で不明朗な影響を及ぼすおそれがあるので、これを防止しようとする」趣旨で設けられ
 たものです。
 従って「選挙に関して」という文言も、「選挙に関する事項」を動機としての意味でありますから選挙に関する諸費用の為に寄
 附を受領する場合も本条文に違反します。
 ところで、貴党の支出のうち、政党交付金を除外した企業献金の最終支出先は貴党の政治活動費(組織活動費、選挙関係費、本
 部、支部への交付金等)に大半が費消されています。
 本年7月に参議院議員選挙が実施され、貴党がもし国との間で請負契約を締結しているゼネコン各社から政治献金を受領すると、
 貴党の支出構造からして選挙活動費や選挙に際しての組織活動費に使われることは必至であります。
 又、本条文は現実の金銭の交付行為が無くとも「約束」も含みます(注釈特別刑法第3巻1、192頁参照)。選挙前に約束し
 て選挙後何ヶ月経過してから献金を受領しても同罪であります。
 更に献金を受けなくとも勧誘、要求する場合も違反です。このような参議院議員の選挙活動に関しての国と請負関係に立つゼネ
 コン各社に対する寄附の勧誘又は要求行為は199条、200条に違反します。
 よって、今回の参議院議員選挙に関して財団法人国民政治協会を通じてであれ、国との請負契約に立つゼネコン各社に政治献金
 の要求又は勧誘をしないよう要求致します。又献金があっても受領しないよう要求致します。

  最後に今回小泉総裁は「自民党的政治体質」との断絶等を旗柱にして総裁に当選され、更には内閣総理大臣に就任されました。
 「自民党的政治体質」の最も典型例は、業界との癒着であり、政治献金を受け取る代わりに国の予算を分配する政治体質がその
 典型です。
 ゼネコン業界との自由民主党の癒着は「選挙およびその後の政治面での不明朗な影響を及ぼすおそれがある」(法199条の立
 法趣旨)として世間から厳しく批判されている事柄です。
 小泉総裁の自民党の選挙中にマスコミを通じて発表した「公約」やその後の政治姿勢からみて、まさかゼネコン業界に献金を勧
 誘、要求、受領することなどないと思いますが、念の為上記のとおり要求する次第です。
 万一、貴党が政治献金をゼネコン各社等に勧誘、要求、受領した場合は必要な法的手続をとることもある旨、念のために御連絡
 致します。

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