KSDは不起訴となりました。先日東京検察審査会へ申し立てを行ないました。
第一審査会が受領し、審査を開始する旨の連絡がありました。
以下に審査申立書の全文を掲載します。

                審 査 申 立 書

東京検察審査会 御中
                                              2001(平成13)年5月9日

1 審査申立人 (告発人)  

2 代 理 人    (弁 護 士)

3 罪 名    政治資金規正法違反

4  被疑者  被疑者(1) 東京都墨田区西口2−10−6 
                                 古  関  忠  男
                被疑者(2) 自由民主党の役職者又は構成員であるが氏名不詳

5 不起訴処分年月日      平成13年4月6日

6 不起訴処分をした検察官      東京地方検察庁
                                  検事 水 野 谷  幸 夫

7 被疑事実の要旨 
    1 被疑者(1)はKSD豊明会の会長として、1998年7月の参議院選挙に際して村上正邦議員を自民党の公認基準により上位に登載させる
    目的をもって、自民党の党員として年間4000円の党費(家族党員時2000円)を、何ら負担すべき義務なき者の氏名を僭称して、遅くと
    も1997年12月末日までに89052人、約2億4400万円、1998年6月末日までに98915人、約2億8200万円を、いずれも真実の寄附
    者であるKSD豊明会を秘匿して第三者名義の党費名目で自由民主党東京都豊明支部外3支部を経由して自由民主党に対して法4条
    3項の寄附をなしたものである。
  2 被疑者(2)は、上記金員を自由民主党東京都豊明支部外3支部を経由して自由民主党本部に受け入れ、当該違反行為をした者である
    が、その自由民主党の役職者または構成員の氏名は不詳である。

8 起訴事実を裏付けする事実
(1)(党費立替)
  @ 自由民主党の参議院比例候補の公認基準によると、
   イ.新人・元議員は新規党員を2万人以上確保すること
   ロ.現職議員は継続党員を2万人以上確保すること
     と決められていた。
     そして、集めた党員数が同党の比例順位の優劣を決定していた。
 A KSDは国から多額の補助金を受けているので、政党等への政治資金に関する寄附は法22条の3により禁止されていた。
   そのためにKSD豊明会という任意団体を設立し、その団体に補助金を出し、この団体を通じて政界工作を行っていた。
   さらに、KSDは自民党職域支部として東京・豊明支部、千葉・豊明支部、埼玉・豊明支部、神奈川・豊明支部を設立した。
 B KSD豊明会を通じて自民党の上記職員支部に党費名目で出損した金は
      一部マスコミ報道によると次のとおりである。
   1994年  49553人   約1億9821万円
   1995年  70073人   約2億8029万円
   1996年      0人
   1997年  89052人   約3億5620万円
   1998年  98915人    3億9566万円
   1999年  84735人    3億3894万円
                              計約15億6930万円
   となっている。
   (なお、この金額は党員1人あたり4000円として計算している。)
(2)(党費立替と政治資金規正法)
  党費とは、党則・規約等により当該政治団体の構成員が債務の履行として負担するものである(法4条2項)。寄附とは党費または会費その
  他債務の履行としてされるもの以外の金銭の供与または交付である(法4条3項)。
  KSD豊明会が自民党の支部を経由して自由民主党に交付した党費名目の金は各党員に対する立替金ではない。真実の立替金であるた
  めには、その各党員が自民党の党員になる真実の意思を有していなければならないからである。
  そうすると、真実、党員になる意思のない者が本人の承諾なく党費名目で政党に交付されていたとしても、それは党費の立替ではなく、法
  22の6で禁止する他人名義のKSD豊明会が自民党に対する政治資金規正法上の寄附なのである。
  真実はKSD豊明会が自民党豊明支部という政党の支部に対する寄附であるのに、他人名義を詐称して党費名目で寄附を行っているから
  22条の6に明白に違反する。
  なお、国会で本件の立替問題を法人等が負担する党費は寄附とみなすという法5条2項をあげているが、正しくはない。この条文はKSD豊
  明会が団体として党費を負担している場合のケースであって、本件の場合とは明らかに異なる。
  即ち、何万人という他人名義を語り、KSD豊明会がKSD豊明支部に寄附しているに過ぎないからである。

(3)(時効について)
  1997年の党費名目の寄附は、政治資金規正法上、公訴時効(3年)に抵触する可能性があるが、村上正邦を上位登載させるためには継
  続党員2万人以上となっているので1997年、1998年、1999年の3年分については包括一罪であるから、最終の寄附終了日から公訴時
  効は開始するから、時効にはなっていない。

(4)(捜査の必要性) 
  本件事件はKSDが自民党の国会議員を、丸ごと架空党員をでっちあげて巨額の金で実質上買収しているものである。
  久世公堯参院議員の党費分を大京が立替した問題等もあり、企業・団体・業界がその国会議員を丸ごと買収する政治資金規正法違反に
  は厳重なる態度で処罰しないと、同じ違法行為が繰り返される。
        
9 不起訴処分の理由
    嫌疑不十分という理由で不起訴処分になった。マスコミが報じている理由として
    @  摘発すれば政界は混乱する。又、政権党相手に東京地検が係争することに及び腰になって立件を見送った。
    A 1997年分は時効となっているので、捜査していない。
  B KSD関係者の認識は党費立替という内容であって第三者名義での寄附という故意が不存在である。
  C  金を受け取った自民党側が党費として受領したと主張された場合、自民党側の犯罪を問うのは困難であり、KSD側だけの起訴は片
    手落ちとなる。
    等と伝えられている。

10 不起訴処分を不当とする理由
(1) 自民党は政権党であるとか、摘発すれば政界は混乱するということが実質上の不起訴理由だとすれば、我が国は法治国家でないことを
   自ら示している。 法の支配は権力の持つ、持たない者との間に格差を設けないことである。
    もし、このようなことが動機に不起訴処分がなされたとすれば検察庁は国民に対する自らの責任を放棄したものである。
(2) 1997年分は時効で捜査していない。
   しかし本件は、村上議員を当選させるという単一の意思のもとに3年分連続して寄附しているのであってこの点、検察庁の考え方は誤りで
   ある。1998年の寄附が終了してから時効は起算される。更に、1999年も献金しているから時効の終了は1999年の寄附終了日から開
   始する。 
(3) KSD側の実行行為者の故意は党費立替という故意であって寄附するという故意を有していないとしているがそれも誤りである。
   党費の立替というのは真実その者が自民党の党員に入党申込をし、その人の党費を立替している場合であって本件の場合は立替では
   ない。架空又は第三者の氏名を僭称しているに過ぎないものである。むしろ真実の寄付者はKSD豊明会である。この真実の寄付者の
   氏名を隠して、第三者の名前を僭称しているに過ぎないのであるから寄附するという故意を有している。実際問題として実行行為者はK
   SD豊明会の金を丸ごと自民党の各支部に寄附しているに過ぎないのであるから、寄附の故意を有していることは明らかである。
(4) 自民党側の受け取った者の役職者の氏名が不明であるが、仮にこれらの者を立件できなくとも、KSD側の寄附する者だけでも起訴すべ
   きで、寄附する側と受領する側とは必要的共犯関係に立つものでないからである。片手落ちにもならない。
(5) 東京地検の特捜部は政治資金規正法の立件については極めて慎重である。贈収賄等で立件できなければ政治資金規正法等は微罪で
   あるという認識である。政治資金規正法はザル法だといわれているが、ザル法にしているのは同法違反で立件しないで放置している為で
   ある。
(6) 特に自民党の党員数は参議院選挙になると急激に増え、同選挙が終了すると急速に激減している。自治省に届け出ている自民党の収
   支報告書によると自民党の党員(会費)数は次のとおりである。
    1995(H7)年   2,499,284人  7/23参院選
    1996(H8)年      1,683,673人  10/20衆院選
    1997(H9)年      2,807,419人             
        1998(H 10)年      3,984,366人    7/12参院選
        1999(H 11)年      1,824,078人
     2001年4月の自民党の総裁選の投票数からみると、自民党の党員数はおそらく160〜180万人前後であると思われる。
     しかるに参院選があると100〜200万人が急激に増え、参院選が終了すると100〜200万人が激減している。
  この党員数の急激な増加が全て党費立替であるかどうかは不明であるが、この激減の仕方は異常である。
   1998年から1999年にかけて216万人が激減している。
   1人4,000円の党費とすれば、
      216万人×4,000円=86億4,000万円
    の「党費」が1998年の参院選に際して自民党の収入となっている。
     もし、KSDのような形で特定の団体、法人が党費に関与しているとすれば、この事実の解明が必要とされる。
  KSDの事件はこれをうやむやの形に終了させようとしている。
  聖域なき改革が小泉首相によって改革されようとしているならば、政権党の金にまつわる問題こそがその改革の対象にされなければなら
  ない。

11 (結論)
  よって、検察審査会において国民からの信頼を回復する為に、本件不起訴処分について再度捜査をするよう検察庁に勧告するよう望む
  次第である。
  

12 (添付書類) 
 (1)  不起訴通知書           1通
  (2)  委任状                   1通

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