告  発  状

東京地方検察庁  御中
2001(平成13)年7月10日

告発人ら代理人(代表)    


告発人   別紙告発人目録記載のとおり
代理人     別紙告発人代理人目録記載のとおり

  罪 名     政治資金規正法違反

  被疑者   被疑者(1)  KSD豊明会の役職者又はその構成員であるが氏名不詳
               被疑者(2)  自由民主党の役職者又は構成員であるが氏名不詳



告発にあたって

 KSDの事件の根幹は党費立替問題である。この6年間に15億6930万円の巨額の金がKSDから
自民党に流れた。しかし、この根幹問題が放置され、村上議員等の個人犯罪として終了しようとしている。 
 御庁は政治資金規正法の立件については極めて慎重である。贈収賄等で立件できなければ政治資金規正
法等は微罪であるという認識である。政治資金規正法はザル法だといわれているが、ザル法にしているの
は同法違反で捜査しないからである。この為にKSD事件の核心部分が放置されようとしている。
聖域なき改革が小泉首相によって改革されようとしているならば、政権党の金にまつわる問題こそがその
改革の対象にされなければならない。
よって、御庁において国民からの信頼を回復する為に、時効でない1999年分について捜査をするよう
に告発する次第である(なお、時効が迫っているので早急に捜査されたい)。

告発の趣旨

1、被疑者(1)の下記行為は政治資金規正法26条の2、4号(第三者名義の寄附)、被疑者(2)は同26
  条の2、3号(第三者名義で寄附受入)にそれぞれ違反するので、早急に捜査をつげ、厳重に処罰さ
  れたく告発する。

                記

(1) 被疑者(1)はKSD豊明会の役員又はその職員として、村上正邦議員を自民党の公認基準により上
    位に登載させる目的をもって、自民党の党員として年間4000円の党費を、何ら負担すべき義
    務なき者の氏名を僭称して、遅くとも1999年12月末日までに84735人、約3億389
    4万円を、いずれも真実の寄附者であるKSD豊明会を秘匿して第三者名義の党費名目で自由民
    主党東京都豊明支部外3支部を経由して自由民主党に対して法4条3項の寄附をなしたものであ
    る。
(2) 被疑者(2)は、上記金員を自由民主党東京都豊明支部外3支部を経由して自由民主党本部に受け入
    れ、当該違反行為をした者であるが、その自由民主党の役職者または構成員の氏名は不詳である。

2、万一、上記金員を費消している場合は、刑法第252条の業務上横領罪を構成するので、ただちに、
  その当時の保管者に対して早急に捜査をつげ、厳重に処罰されたく告発する。

告発の理由

1  被疑事実を裏付けする事実(党費立替)
(1) 自由民主党の参議院比例候補の公認基準によると、
イ.新人・元議員は新規党員を2万人以上確保すること
ロ.現職議員は継続党員を2万人以上確保すること
と決められていた。
 そして、集めた党員数が同党の比例順位の優劣を決定していた。
(2) KSDは国から多額の補助金を受けているので、政党等への政治資金に関する寄附は法22条の
    3により禁止されていた。
      そのためにKSD豊明会という任意団体を設立し、その団体に補助金を出し、この団体を通じて
    政界工作を行っていた。
    さらに、KSDは自民党職域支部として東京・豊明支部、千葉・豊明支部、埼玉・豊明支部、神
    奈川・豊明支部を設立した。
(3) KSD豊明会を通じて自民党の上記職員支部に党費名目で出損した金は次のとおりである。
1994年  49553人   約1億9821万円
1995年  70073人   約2億8029万円
1996年      0人
1997年  89052人   約3億5620万円
1998年  98915人    3億9566万円
1999年  84735人    3億3894万円
                           計約15億6930万円
となっている。
   (なお、この金額は党員1人あたり4000円として計算している。)

2、党費立替と政治資金規正法
  党費とは、党則・規約等により当該政治団体の構成員が債務の履行として負担するものである(法4
  条2項)。寄附とは党費または会費その他債務の履行としてされるもの以外の金銭の供与または交付
  である(法4条3項)。
  KSD豊明会が自民党の支部を経由して自由民主党に交付した党費名目の金は各党員に対する立替金
  ではない。真実の立替金であるためには、その各党員が自民党の党員になる真実の意思を有していな
  ければならないからである。
  そうすると、真実、党員になる意思のない者が本人の承諾なく党費名目で政党に交付されていたとし
  ても、それは党費の立替ではなく、法22の6で禁止する他人名義のKSD豊明会が自民党に対する
  政治資金規正法上の寄附なのである。
  真実はKSD豊明会が自民党豊明支部という政党の支部に対する寄附であるのに、他人名義を詐称し
  て党費名目で寄附を行っているから22条の6に明白に違反する。
  即ち、何万人という他人名義を語り、KSD豊明会が自民党豊明支部に寄附しているに過ぎないから
  である。
        
3、第一次告発と不起訴
(1) 1997年、1998年分について本年2月多くの市民が告発した。
      しかし、本年4月6日に、嫌疑不十分という理由で不起訴処分になった。
    不起訴理由をマスコミが報じている。
       @  摘発すれば政界は混乱する。又、政権党相手に東京地検が係争することに及び腰になって
       立件を見送った。
       A 1997年分は時効となっているので、捜査していない。
     B KSD関係者の認識は党費立替という内容であって第三者名義での寄附という故意が不存
       在である。
     C  金を受け取った自民党側が党費として受領したと主張された場合、自民党側の犯罪を問う
       のは困難であり、KSD側だけの起訴は片手落ちとなる。
    等と伝えられている。
(2) 不起訴処分の不当性
  @ 自民党は政権党であるとか、摘発すれば政界は混乱するということが実質上の不起訴理由だとす
    れば、我が国は法治国家でないことを自ら示している。 法の支配は権力の持つ、持たない者と
    の間に格差を設けないことである。
      もし、このようなことが動機に不起訴処分がなされたとすれば検察庁は国民に対する自らの責任
    を放棄したものである。
  A 1997年分は時効で捜査していない。
    しかし本件は、村上議員を当選させるということで寄附をしているのであって、この点、検察庁
    の考え方は誤りである。1998年の寄附が終了してから時効は起算される。
  B KSD側の実行行為者の故意は党費立替という故意であって寄附するという故意を有していない
    としているがそれも誤りである。
     党費の立替というのは真実その者が自民党の党員に入党申込をし、その人の党費を立替している
    場合であって本件の場合は立替ではない。KSD豊明会の実行行為者は84,735人の基本的
    党員を認識し、それらの者の党費を立替するという事実認識すら有していない。
    従って、党費立替という具体的認識すら有していない。架空又は第三者の氏名を僭称しているに
    過ぎないものである。
        むしろ真実の寄付者はKSD豊明会である。この真実の寄付者の氏名を隠して、第三者の名前を
    僭称しているに過ぎないのである。
    寄附するという故意は金員を支出するという事実認識があれば足りるのであるから故意がないと
    いう理由で、もし不起訴にしたというなら、それも誤りである。
  C  自民党側の受け取った者の役職者の氏名が不明であるが、仮にかれらの者を立件できなくとも、
    KSD側の寄附する者だけでも起訴すべきで、寄附する側と受領する側とは必要的共犯関係に立
    つものでないからである。片手落ちにもならない。
  D  最近、自民党はKSDに2億円を架空党員の件で、返還した旨報道されている。これは党費立替
    が事実であったことを双方が自白しているのであるから証拠上は明白である。
(3) 検察審査査会の却下決定
      この不起訴決定に対し、東京検察審査会に異議の申立をしたが、同会は何ら実態審理することなく
    1998年分は平成13年4月30日に時効が終了しているから本件不起訴処分は相当だと同年
    6月29日付で結論し、その旨本年7月2日審査申立代理人に通知があった。

4、結論
1994年から1998年までの間の党費名目の寄附は、政治資金規正法上、公訴時効(3年)であった
というならば、1999年の1年分については、時効にはなっていない。
  本件事件はKSDが自民党の国会議員を、丸ごと架空党員をでっちあげて巨額の金で実質上買収して
いるものである。
久世公堯参院議員の党費分を大京が立替した問題等もあり、企業・団体・業界がその国会議員を丸ごと買
収する政治資金規正法違反には厳重なる態度で処罰しないと、同じ違法行為が繰り返される。
  特に自民党の党員数は参議院選挙になると急激に増え、同選挙が終了すると急速に激減している。自
治省に届け出ている自民党の収支報告書によると自民党の党員(会費)数は次のとおりである。
1995(H7)年   2,499,284人  7/23参院選
1996(H8)年      1,683,673人  10/20衆院選
1997(H9)年      2,807,419人             
1998(H 10)年      3,984,366人    7/12参院選
1999(H 11)年      1,824,078人
2001年4月の自民党の総裁選の投票数からみると、自民党の党員数はおそらく160〜180万人前
後であると思われる。しかるに参院選があると100〜200万人が急激に増え、参院選が終了すると1
00〜200万人が激減している。
この党員数の急激な増加が全て党費立替であるかどうかは不明であるが、この激減の仕方は異常である。
1998年から1999年にかけて216万人が激減している。
1人4,000円の党費とすれば、216万人×4,000円=86億4,000万円の「党費」が19
98年の参院選に際して自民党の収入となっている。
もし、KSDのような形で特定の団体、法人が党費に関与しているとすれば、この事実の解明が必要と
される。
  
添付書類
    委任状                    6通
                     (残り2通については追完)

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