株式数の7.2%、株主数の22%の賛成を獲得  

2001年度 三井住友銀行に対する役員報酬開示の株主提案の結果

(1)株主提案の概要

株主オンブズマンは、2001年6月の三井住友銀行の株主総会に際して、31万株を保有する64名の株主の名において、役員の報酬および退職慰労金の開示を求める株主提案を行った。

旧住友銀行に対して行った昨年度の株主提案では、役員に支給される報酬および退職慰労金の額を当該役員毎に個別に開示することを求めていたが、今年度は、昨年度、再提案に必要な要件(投票総株数の10%以上の賛成)を確保できなかったために、役員報酬および退職慰労金について総額、最高額、平均額の開示を求める提案となった。

(2)株主総会に向けての取り組み

株主総会に先立って、国内の機関投資家(信託銀行や生命保険会社等)に対して株主提案への賛成を呼びかけると同時に、三井住友銀行の株式を保有する海外の機関投資家に対して株主提案への賛成投票を求める英文のアピールを送付した。また、私たちの株主提案は、ISSなどアメリカの機関投資家向け情報会社のニュースレターでも報じられた。

(3)株主総会での動き

総会は集中日の6月28日に東京で開催された。株主提案(7号議案)については、提案に参加している松丸正弁護士が提案趣旨説明を行い、株主提案に参加している柚岡一禎氏がさらに経営陣に対して役員報酬・退職慰労金の開示を迫る質問を行った。会社側からは取締役会のお手盛りではなく、報酬委員会を設けて報酬金額を決定している旨の説明があった。また、株主提案を半ば受け入れる形で、社外を除く取締役への報酬総額は3億6600万円、最高額は年間4500万円、平均額は年間3300万円であり、退職慰労金は本年退職取締役9名に対して11億円、本年退職監査役2名に対して7000万円を支給するという説明があった。

(4)株主提案の投票結果

株主総会終了後に株主提案への投票結果の開示を求めたが、三井住友銀行からは『商法上具体的票数を開示する必要がない』といった回答しか得られなかった。結局、9月14日にあらためて株主提案への投票結果を調べるため、東京・大手町の三井住友銀行本店を訪問することとなった。三井住友銀行側からは、株主提案の議決権行使書と議決権行使結果が一応開示された。株主提案については、有効35億5695万4000株中(2万7970名)、

2億5508万3000株(6193名)の賛成が得られていた。賛成投票は株主数では7.2%、株主数では22.1%に上った。これは昨年度の8168万4000株、3.1%を2倍以上も上回っている。

(5)残された問題点 

投票結果は本来なら総会の場で明らかにされるべきである。三井住友銀行がそれを拒んだのは、7.2%の賛成という銀行にとって予想外の高い賛成率が総会関係のニュースで大きく報じられることを恐れたからだとしか考えられない。三井住友銀行の情報開示に対する消極的な姿勢はこういう点にも表れている。

また、同時に株主総会出席者(約200名・9億株)の投票結果を、会社側は総会での簡単な挙手・拍手のみで賛成多数とみなすという極めて杜撰な表決方法をとっていたことも明らかになった。会社側は、総会までに送られた議決権行使書のみで会社側提案の可決と株主提案の否決が明らかであるからと説明したが、こういった総会運営はいかに株主を軽視したものであるか、また株主総会そのものを単なる通過儀礼としてしか捉えていないかを如実に示したものであるといえよう。

なお、株主総会での表決をめぐっては東京地裁に対して総会決議取り消し訴訟を提訴している。


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