熊谷組政治資金判決の記事紹介


熊谷組判決の記事(朝日新聞HP)

献金違法と認め、元社長に賠償命令 熊谷組株主代表訴訟

判決後、記者会見する原告の柚岡一禎さんと阪口徳雄弁護士、松丸正弁護士
(左から)=12日午後、福井市順化1丁目の福井弁護士会で(写真省略)

 経営再建中の準大手ゼネコン「熊谷組」(本店・福井市)による自民党側
への政治献金をめぐり、大阪の市民団体「株主オンブズマン」のメンバーが
「実質的に赤字が続いていた状態での献金は政治資金規正法に違反する」と
して、元社長2人に献金計約9900万円を会社に賠償することなどを求め
た株主代表訴訟の判決が12日、福井地裁であった。小原卓雄裁判長は「巨
額の特別損失を計上しているのに厳格な審査をせずに献金を実施したことは、
民法の定める経営者の善管注意義務に違反する」と述べ、松本良夫元社長
(60)に約2861万円を支払うよう命じた。熊谷太一郎元社長(69)
に対する賠償請求と、鳥飼一俊社長(56)に対する献金差し止め請求は
退けた。

 企業献金を容認した70年の最高裁判決以降、初めて献金の違法性を認め
た司法判断で、政界や経済界に大きな影響を与えるのは必至だ。

 原告は同社株主の会社社長柚岡一禎(かずよし)さん(60)。

 判決はまず、企業の政治献金について「国民の選挙権や参政権を実質的に
侵害するおそれがあることは否定できない」と判断。「自由主義経済の維持、
発展は献金の合理的理由にならない」と述べた。

 そのうえで、民法で定めている経営者の善管注意義務違反に抵触するかど
うかを検討。熊谷組は97年度と00年度に巨額の特別損失を計上し、欠損
を出していることを取り上げ、「献金の可否や範囲、金額などについて厳格
な審査をし、欠損の影響などを慎重に判断することなく実施している」と述
べ、同法違反だと結論付けた。特別損失を計上した99、00年の献金につ
いて、当時の松本社長に対し支払いを命じた。

 株主側は「遅くとも95年からは実質的な赤字状態にあり、3年目にあた
る97年以降の献金は違法だ」と指摘していたが、元社長側は「決算上の損
失は3年連続では発生していない」と反論していた。

 献金が、公共事業の受注企業に選挙に関する寄付を禁じた公選法に違反す
るかどうかも争点となった。

 熊谷組は96〜00年に自民党の政治資金団体「国民政治協会」へ計99
13万円を献金。このうち、国政選挙があった96、98、00年の選挙前
の献金は計3700万円にのぼった。当時、熊谷組は国発注工事を継続的に
請け負っていた。

 株主側は「政党が献金を選挙活動資金と区別して使うことは困難で、公選
法に違反する」と主張したが、判決は「選挙に関してなされたものとまでは
認められない」と述べた。 (16:03)


熊谷組判決の記事(毎日新聞HP)

株主代表訴訟:熊谷組前社長に政治献金返還命令 福井地裁

 経営再建中の準大手ゼネコン、熊谷組(本店・福井市)が行った政治献
金は違法などとして、大阪府内の株主(60)が元社長ら3人を相手取り、
献金計約1億円の会社への返還などを求めた株主代表訴訟の判決が12日、
福井地裁であり、小原卓雄裁判長は原告の訴えを一部認め、前社長に約
2860万円を返還するよう命じた。小原裁判長は「献金をすべきかどう
かを厳格に審査していなかった」として、98年4月以降の献金を違法と
認めた。原告弁護団によると、ゼネコンに政治献金の返還を命じた判決は
初めて。経営難に陥った他のゼネコンも同様の献金をしており、今後、政
治献金のあり方について論議を巻き起こすことになりそうだ。

 原告は市民グループ「株主オンブズマン」のメンバー。熊谷太一郎・元
社長と松本良夫・前社長に対し返還を、鳥飼一俊社長に今後の献金の差し
止めを求め提訴した。

 訴状などによると、熊谷組は96年1月〜00年4月、自民党の政治資
金団体「国民政治協会」に計約9910万円を献金した。原告は、献金は
選挙に関する寄付にあたり、国と請負契約関係にある同社の献金は公職選
挙法に違反する▽同社は遅くとも95年から事実上の欠損状態で、3年以
上続けて欠損がある会社の献金を禁じた政治資金規正法に違反する▽注意
義務を怠り、漫然と献金を続けた――などと主張。

 一方、同社は、自民党の政治活動に賛同して継続的に献金しており、選
挙に関してではない▽貸借対照表では3年以上にわたる欠損はない、など
と反論していた。 【川口裕之】

[毎日新聞2月12日] ( 2003-02-12-17:23 )


熊谷組判決の記事(読売新聞HP)

熊谷組株主訴訟、政治献金2860万円を返還命令

 経営再建中の準大手ゼネコン「熊谷組」(本社・東京)から自民党の政
治資金団体への政治献金は、取締役が財務状況などの注意義務を怠った商
法違反にあたるとして、同社の個人株主で企業監視グループ「株主オンブ
ズマン」メンバーの会社役員柚岡一禎さん(60)(大阪府泉南市)が、
元社長ら新旧経営陣を相手取り、過去5年間の政治献金計約1億円の返還
と献金の差し止めを求めた株主代表訴訟の判決が12日、福井地裁であっ
た。

 小原卓雄裁判長は「欠損が生じた場合、献金の必要性や経営状態を審査
する必要があるにもかかわらず、審査しなかったのは注意義務違反にあた
る」と原告の主張を一部認め、松本良夫前社長に1999、2000年の
政治献金約2860万円返還を命じた。企業政治献金について注意義務違
反を理由に旧経営陣に返還を命じたのは初めて。

 訴状などによると、熊谷組は98年と2001年に計8197億円の特
別損失を計上、欠損となったが、損失を先送りしていたため、実質上は95
年以降、欠損状態だった。2000年には金融機関13行から4300億
円の債権放棄を受けたが、この間の96―2000年、自民党の政治資金
団体「国民政治協会」に計約1億円を献金。

 熊谷組は「政治献金は事業活動の一環。取締役には広い裁量が認められ
ており、政治献金は合理的な範囲内で行われた」と反論していた。原告側
は、同社の献金は政治献金であっても事実上、選挙資金に使われており、
公職選挙法に違反するとし、さらに、3年以上欠損が続く企業の政治献金
を禁止した政治資金規正法にも違反するとしていたが、これらについて小
原裁判長は原告の主張を退けた。 (2月12日14:21)


熊谷組判決の記事(日経HP−−共同通信配信)

熊谷組前社長に賠償命令、赤字会社の政治献金認めず

 経営再建中の準大手ゼネコン熊谷組(東京)が、実質赤字が続いていた
のに自民党に献金したのは違法として、株主オンブズマンメンバーで同社
株主の大阪府泉南市、柚岡一禎さん(60)が歴代社長に5年間の献金計約1
億円の賠償を求めた株主代表訴訟の判決で、福井地裁の小原卓雄裁判長は
12日、「巨額損失を出した1998年以降の献金は取締役の注意義務違反に当
たる」として、松本良夫前社長に約2800万円の賠償を命じた。

 原告側弁護士によると、経営不振の会社の献金について違法性が認めら
れたのは初めて。政治とカネを巡る国会論議にも一石を投じそうだ。

 小原裁判長は、判決理由で「3年以上欠損に至らない場合でも、献金は経
営状況を踏まえ厳格に審査する義務があるのに、判断過程がずさん。株主
への配当に優先する必要性があるかを慎重に判断することなく実施した」と
指摘。

 98年4月以降の献金計約2800万円について、「取締役の裁量を逸脱し、注
意義務違反の行為」として、民法上、違法性があると認定した。〔共同〕 (21:01)


株主オンブズマンのコメント(制作中、近日掲載予定)


 

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