株主オンブマンの株主提案に関心が集まる−−2003年株主総会の新聞記事より抜粋


                                               2003/07/07  株主オンブズマン 事務局

 

 今年の株主総会についての報道のなかでは、株主オンブズマンのソニーおよびトヨタ自動車に対する株主提案が注目を集めた。そこで以下では、両社の総会前後の各紙の関連記事を抜粋して紹介する。


6/27 毎日 朝刊  社説 株主総会/今日開く会社は反省せよ

今年の総会では、以前にも増して株主の積極的な発言が目立った。個人株主の集まりである株主オンブズマンはソニーの総会で、取締役の報酬や退職慰労金の個別開示などを求めて株主提案した。否決はされたが、30%の賛成があった。昨年も27%の賛成を得ており、株主提案の支持は着実に増えている。昨年は、女性取締役の選任を求め、やはり否決されたが、今年の会社の議案には女性取締役の選任が盛り込まれていた。


6/27 日経産業新聞 トヨタ、「変化」市場にアピール、「株主重視」模索続く―予想超す大幅増配。

26日、愛知県豊田市の本社で開かれた株主総会。会場には過去最多の1173人の株主が詰めかけ、緊張した面持ちで市民グループ「株主オンブズマン」と経営陣の応酬を見守った。

株主オンブズマン側の提案は(1)年50円(会社側は36円)への配当引き上げ(2)役員報酬と同賞与、退職慰労金の個別開示(3)総会開催日の集中回避――の3点だ。

オンブズマンの主張に賛同する株主から「(報酬を)個別開示しないなら役員をやめろ」と厳しい発言も飛び出し、例年にない緊張感もただよった。

結局、三案とも反対多数で否決されたが、オンブズマン側の努力は徒労ではない。報酬、賞与、退職慰労金については役員全員の総額ながら初めて開示に踏み切り、配当も8円増の36円とライバルのホンダの32円を大幅に上回る「高額回答」だった。


6/25 朝日新聞(名古屋)朝刊  オンブズマンへの賛同いかに あすのトヨタ株主総会で

 26日に開かれるトヨタ自動車の株主総会には、市民団体「株主オンブズマン」が(1)配当の引き上げ(2)取締役の報酬・賞与などの個別開示(3)土日など集中期間を外した総会の開催、を求める3議案を提出している。どれだけの株主が賛成するか注目されている。

トヨタは03年3月期の連結決算で経常利益1兆4140億円を計上し、自ら持っていた「日本記録」を更新したのに伴い、1株当たりの配当金を36円と、前年に比べ8円増やした。役員報酬については取締役58人で計12億8千万円、役員賞与は計8億1700万円とそれぞれ総額を公表 した。

このような施策をしているため、トヨタの取締役会は「法令や実務慣行からも妥当な扱い」とオンブズマンが出した3議案に反対することを決め、株主への招集通知書にも記した。

だが、米投資サービス会社のISSは、オンブズマンの3議案に賛成し、トヨタの機関投資家に議決権を行使するよう助言した。助言を受けた投資家の株式を合わせると発行株式の数%になると見られ、少なからず賛成票が出てきそうだ。


6/27 毎日新聞 朝刊 役員報酬「個別開示せず」相次ぐ 透明性要求、強まるなか−−株主総会

 企業の役員報酬の個別開示をめぐる議論が活発化してきた。6月に集中する3月期決算企業の株主総会では、開示を求める株主提案が相次いで否決されている。トヨタ自動車が26日開いた総会でも、否決されたものの賛成票は15%に及んだ。持ち合い株解消、外国人投資家の増加などを背景に株主の要求は強まっており、企業側も企業統治(コーポレート・ガバナンス)の再構築が求められている。【高橋秀郎】

トヨタに個別開示を求めたのは、市民グループの株主オンブズマン(大阪市)。「率先して開示すれば、透明性があり、情報開示に熱心な企業として価値が高まる」と主張したが、張富士夫社長は「適法かつ妥当な扱いで、役員のコストを示す総額で十分」と退けた。ソニーは20日、みずほフィナンシャルグループも25日にそれぞれ総会で否決した。しかし、賛成票は、みずほで12%、ソニーでは30%に達した。ソニーの出井伸之会長は総会で「(株主提案の)意見は認識している」と述べ、一定の理解を示した。


6/24 朝日 朝刊 社説 株主総会――もの言う株主が増えた

日本企業をとりまく環境の変化は、総会からも見て取れる。今年の最大の特徴は、経営に注文をつける投資家が増えてきたことだろう。これまでのような「しゃんしゃん総会」が姿を消すのは喜ばしい。

その背景には経営側を支えてきた株式の持ち合い制度が、急速に崩れていることがある。持ち合い株を握っていた「安定株主」に代わって、存在感を強めているのは機関投資家である(中略)。

機関投資家だけではない。個人株主が中心の市民団体「株主オンブズマン」はソニーの総会で役員報酬の個別開示を提案し、30%強の賛成票を集めた。


6/24 日経 朝刊 株主総会、今週ピーク――株主重視の姿勢徐々に、制度面の対応不可欠

世界的に機関投資家による議決権行使が積極化しているのを背景に、日本企業も株主に目を向けた経営に徐々に変わり始めている。ただ変革の芽を育てるには制度面の対応や、改革を求める機関投資家自身の変革も欠かせない。 今年の株主総会ではソニーで初の女性取締役が誕生した。昨年の同社の総会では、女性取締役を登用するよう求める株主提案が出て、機関投資家などから17%台の賛成票を集めた。
この株主提案をした森岡孝二・株主オンブズマン代表(関西大学教授)は「海外では一般に10%以上の賛成票が集まれば、企業は対応措置を求められる」と話す。


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