トヨタ株主総会の開催日、株主提案を受けて早まる


 3月31日の朝日新聞によれば、トヨタ自動車は今年の株主総会を6月23日
に開きます。近年、トヨタは集中日の1日前の準集中日に総会を開いてきま
したが、今年は集中日と見られる6月29日より6日早く開かれることになり
ました。

 朝日の記事は、この変更が「株主が参加しやすい開かれた総会にする」た
めになされたと伝えています。実は、昨年、株主オンブズマンはトヨタの株
主総会に「総会開催日を土日を含め株主が参加しやすい日に変更する」こと
を求める株主提案を行い、議決権行使株数の12.8%の賛成を得ていました。
今回の開催日変更は、昨年の株主提案が多数の株主の支持を得たことを取締
役会が考慮せざるをえなかった結果だという点で、きわめて大きな意味をも
つ決定です。

 株主提案が活発に行われているアメリカでは、株主提案が10%以上の賛成
を得ることは、多数の株主の意思を無視できず、取締役会として政策変更を
せざるをえないベンチマークだといわれています。今回のトヨタの総会開催
日の変更決定は、12.8%の賛成がそういう意味をもったものと考えられます。

 株主オンブズマンは、住専の不良債権処理の税金投入が問題になった1996
年の日本住宅金融の株主総会で、会社解散・営業譲渡反対などの株主提案を
行い、30%の賛成を得ました。

 1999年春にはアメリカの西海岸に株主総会とコーポレート・ガバナンスの
調査に行き、企業の社会的責任(CSR)を重視した株主提案が積極的に行
われていることを学びました。

 2000年には住友銀行に役員の報酬と退職慰労金の個別開示を求める株主提
案を行い、株主総会の場で、取締役の報酬について、総額だけでなく最高と
平均を明らかにさせることができました。

 2002年には、雪印乳業に対して、食品の安全と企業倫理の確立を求めて消
費者代表を社外取締役に選任する株主提案を行い、全国消費者団体連絡会の
前事務局長の日和佐信子氏を社外取締役に迎えることができました。

 2003年には、ソニーに対して男女共同参画社会基本法の理念に沿って、取
締役候補を決めることを求める株主提案を行い、橘・フクシマ・咲江氏を社
外取締役に選任することができました。これはその前年に同じ提案を行い、
17.5%の賛成を得ていたことの結果です。

 しかし、ソニーとトヨタに対する役員の報酬と退職慰労金の個別開示の株
主提案については、まだ実現を見るにいたっておりません。同提案は昨年の
場合、ソニーでは30.2%、トヨタでは15.3%の賛成を得ることができました。
報酬開示は情報開示の試金石であるだけに、両社の経営陣の英断が期待され
ています。


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