株式会社 大林組の株主のみなさん
2007年定時株主総会に談合の防止と根絶を求める株主提案を行うことにご賛同ください

大阪市北区西天満4-6-3 第5大阪弁護士ビル3階
株主オンブズマン代表(関西大学教授)森岡 孝二

 私たちは、株主の立場から企業の情報開示等のために活動しているNPOの株主オンブズマンです。私たちは、来る6月の大林組定時株主総会において「談合防止を定款に盛り込むための株主提案」を行おうと準備を進めています。
 当社は昨年1月の独占禁止法改正を機に、談合行為の再発防止に向けて、コンプライアンス体制を強化するために、監査役会による「談合監視プログラム」を策定・実施し、併せてコンプライアンス室を新設しました。
 にもかかわらず、昨年3月には防衛施設庁の官製談合事件に関与した疑いで指名停止になり、当社元顧問が東京地方検察庁より略式起訴されました。また、昨年10月には、和歌山県が発注したトンネル工事で談合が発覚し、大阪地検特捜部が当社の大阪本店や関係者の自宅などの家宅捜索をしました。このとき、「神戸新聞」(06/10/06)の社説は、「社会の強い批判にもかかわらず、談合事件が後を絶たない。ゼネコンの辞書に『懲りる』という言葉はないのだろうか」、と書きました。この事件を受けて、昨年11月には当社は「独占禁止法遵守プログラム」を策定しています。
 しかし、「朝日新聞」(07/03/21)の報道によれば、本年3月20日、名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、名古屋地検特捜部は、大林組など法人としてのゼネコン5社と、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で逮捕した大林組名古屋支店元顧問ら各社の業務担当者5人を同罪で起訴しました。このことは当社が強化したというコンプライアンス体制が談合防止のために有効に機能していないことを示唆しています。
 私たちはこうした違法行為をこれ以上繰り返えさせないために、会社は従来以上に決然とした姿勢で談合の防止と根絶に取り組む必要があると考え、今回の株主提案を行うことになりました。当社の「企業行動基準」にはすでに「建設工事、特に公共事業に関しては、刑法、独占禁止法に違反する行為はもとより、入札の公正、公平を阻害する行為を行わない」と明記されいます。取締役会はこれを理由に定款に談合防止の条文を盛り込むことに反対するかもしれません。しかし、会社が示している「大林組のコンプライアンス体制図」の最上位には「株主総会」が置かれています。そのことは、株主総会で決めてこそ、真に重みを持つ談合防止宣言を会社の内外に発することができることを意味しています。
 以上の趣旨から、私たちは別紙のような株主提案を株主の皆様方のお力をえて行いたいと存じます。なにとぞよろしくご理解、ご協力くださいますようお願い申し上げます。ご賛同いただけます場合は、同封の株主提案についての委任状に署名押印いただいて、返信用封筒にて株主オンブズマン宛にご返送いただければ幸いです。ご不明の点は下記連絡先の弁護士までご一報ください。

注: この呼びかけは株主提案権の行使に必要な株数(300個以上)を集めるために、2007年3月の株主名簿をもとに差し上げています。売却済み場合はご容赦ください。6か月前から株式を有する株主は、この株主提案に加わることができます。

株主提案の内容は下記のとおりです。

議案 談合の防止に関する定款変更の件

 当社は企業倫理の徹底と法令遵守に努め、特に公共事業の入札に際して、刑法、独占禁止法に違反し、入札の公正、公平を阻害する談合行為等を行わない。

という条文を定款に新設する。

提案の理由

 当社は、かねてよりゼネコン業界の悪弊である公共工事の入札談合を断ち切れず、昨年1月の独占禁止法改正を機に、談合行為の再発防止に向けて、コンプライアンス体制を強化するために、監査役会による「談合監視プログラム」を策定・実施し、併せてコンプライアンス室を新設した。にもかかわらず、それ以降も独占禁止法違反行為が相次いで発覚し、メディアと世論の厳しい批判を浴びている。特に、今後、談合行為が行なわれると、課徴金命令、発注機関からの損害賠償、指名停止、信用損害等による、巨額の損害を受ける。企業にとっても致命的なリスクとなる危険性がある
 法令遵守および談合防止については、すでに当社の「企業行動基準」に明記されているところであるが、会社の根本規則である定款に盛り込むことを株主総会で決議してこそ、株式会社としての当社にふさわしく、コンプライアンス体制を抜本的に強化し、当社の社会的信頼を回復させ、企業価値を高めることができる。

2007年4月4日
連絡先 弁護士 松丸  正
堺市堺区中瓦町1丁4-27小西ビル
(TEL 072-232-5188)


ご参考 本会が行った主な株主提案(抜粋)
提案先会社名 提案内容賛成率(%)
1996年 日本住宅金融営業譲渡反対28.6
2000年住友銀行役員報酬の個別開示3.1 総会で議長が最高額と
平均額を開示
2002年ソニー役員報酬の個別開示
女性取締役の選任
27.2
17.5 翌年実現
2002年雪印乳業安全担当の社外取締役の選任会社が受け入れ実現
2003年トヨタ総会開催日の集中日回避
役員の報酬・退職慰労金の個別開示
12.7 翌年実現
15.3
2006年ソニー役員報酬の個別開示46.7


戻る