味の素取締役に対する訴提起の請求書(原文)

一、当職らは、貴社の株式一〇〇〇株を六ケ月前より引き続き所有する株主である後記通知人の代理人
  として、商法二六七条による取締役の責任を 追及する訴の提起を請求します。

二、責任の発生原因事実の一つは、総会屋対策費等の違法な出費に関するものです。
 責社は過去一〇年以上にわたり、商法で禁止されている総会屋に対する金の供与や本来支払われるべ
 きでない右翼や暴力団に対する違法な出金をされてきました。
 右支出金額は、一九八七年五月以降今日までの一〇年間に一一億円を優に越えており、その分会社に
 損害を与えてきました。

 右支出金については、貴社の野口総務部長や石神総務課長が刑事事件として取り調べを受け、関係者
 が起訴されています。
 年間一億円もの交際責が総務部の二人だけで支出できるはずはなく、会社役員が容認していたとしか
 考えられません。少なくとも、このような異常な支出金体制をチェックしなかった役員の責任は、
 取締役としての忠実義務、監視義務に違反していることが明らかです。
 しかるに、代表取締役らにおいては、自らの関与や法的責任を否定し、詳細な事実解明やその公表や、
 今後の違法行為防止の抜本的対策をもしようとしません。このような事では、会社の信用回復や損失
 補填、株主の保養は到底はかられません。
 よって、一九八七年五月以降、一九九七年四月までの代表取締役、総務担当取締役を含む全取締役各
 人に対して、合計二億円を会社に対して損害賠償するよう、訴訟を提起されることを求めます。

三、責任発生原因事実の二つ目は、貴社において、東京国税局の税務調査を受け、一九九五年三月まで
 の三年間に法人所得六億円の申告漏れが発覚し、追徴税額二億八〇〇〇万円を支払わされることにな
 りました。そのうち、使途不明金を含めての加算税・重加算税・延滞金等本税以外の少なくとも
 四〇〇〇万円は、右取締役の忠実義務や監視義務に反して、会社の行為として故意ないし過失による
 虚偽の申告をした為に生じた余分な支出であり、その分会社に損失を与えたものです。
 よって、一九九五年三月期までの過去三年間の代表取締役、経理財務担当取締役を含む全取締役各人
 に対して、本税以外の金員少なくとも四〇〇〇万円を会社に対して損害賠償するよう、訴訟を提起さ
 れることを求めます。

四、以上二項と三項記載の損害賠償訴訟の提起を求めます。

   一九九七年五月三日

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