野村證券株主総会代理出席訴訟 (file.2117)

           訴・        状・

          当事者の表示  別紙のとおり

          請・ 求・ の・ 趣・ 旨・
一、被告は原告に対し金一〇〇万円及び右金員に対する本訴状送達日の翌日か
・ら完済まで年五分の割合による金員を支払え。
二、訴訟費用は被告の負担とする。
・との判決並びに仮執行宣言を求める。

          請・ 求・ の・ 原・ 因・
・一、当事者・
・ 被告は資本金一八〇〇億円余の我が国最大の証券会社であり、原告は被告
・の株式二一三八株を保有する株主である(甲一号証の一)。
・二、株主総会を意図的に同一日時に集中開催することによる株主権の侵害・
・ 証券市場に上場しており、三月末を決算期とする株式会社の圧倒的多数は、
・従前意図的に、株主総会を同一日時に開催してきており、平成一〇年度にお
・いては、一九六八社中一七九七社(九一・四パーセント)が六月二六日に開
・催している。
・ 株主の多くは数社の上場している株式会社の株式を保有しているが、同一
・日時に集中して株主総会が開催されれば、株式を保有する株式会社のうち一
・社にしか出席できず、他社へ出席することは不可能となる。
・ 一方、同一日時に集中して開催している株式会社の意図は、総会屋対策と
・いう名目の下、株主が数社の株主総会に出席できないようにするところにあ
・ることは明白である。
・ このような同一日時・集中開催により、株主総会への出席権・質問権等の
・株主権は侵害されるものである。
・ 米国のカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)は、日本の株
・式を多数保有する機関投資家であるが、平成一〇年三月に「カルパースの対
・日コーポレートガバナンス原則」を定めている。右原則の「株主への情報開
・示」という項目で多くの日本企業が集中日に株主総会を開催していることに
・つき、「複数銘柄を所有する株主による十分な議案審議を不可能にして」お
・り、「株主が責任ある議決権を行使できるよう、総会開催日の分散化」をす
・ることを求めている。
・ 同一日時・集中開催という総会屋対策のみに腐心し、一般株主をないがし
・ろにする悪弊は国際的にも強く改善を求められている。
・三、株主以外の代理人出席を認めない定款の定めの無効・
・〓 商法第二三九条二項は、株主は代理人をもって議決権を行使することを
・・得る旨定めている。
・・ しかし、上場企業の多くは定款をもって、代理人資格を株主に限ること
・・を定めている。右定款の定めは、その制限につき合理的理由がなく、かつ
・・商法上株主に認められた議決権代理行使(そのうちには株主総会への代理
・・出席も当然含まれる)の権利を不当に制限するものであり、無効である。
・〓 仮に代理人資格を株主に限ることが認められたとしても、無限定にこれ
・・を限ることは商法に違背し無効である。
・・ 即ち、少なくとも弁護士・公認会計士・税理士等の専門家、または株主
・・の六親等内の親族、同居の親族については株主でなくともその代理権を肯
・・定すべきであり、一律に制限している本定款はその限りで無効である。
・・ けだし、これらの者は総会屋等は明らかに区別でき、株主総会をかく乱
・・させる危惧は全く存しないからである。
・・ とりわけ、先に述べたように同一日時に株主総会が集中して開催される
・・ことを考えれば、その不当性はより明白と言えよう。
・四、被告による原告の株主総会出席権の侵害・
・ 被告は第九五期の株主総会を集中開催日時の平成一一年六月二九日午前一
・〇時に開催した(甲二号証の一)。また、訴外大和銀行も右同一日時に開催
・している(甲二号証の二)。
・ 原告は被告の株主であるとともに、大和銀行の株式七〇〇〇株を保有する
・株主である(甲一号証の二)が、両社の株主総会に同時に出席することがで
・きず、やむなく自らは大和銀行のみに出席することとし、被告の株主総会へ
・の出席は弁護士に委任した。しかし、被告は定款上、株主である者以外の株
・主総会への代理出席は認められていないとして、これを拒んだ(甲三号証)。
・五、原告の株主権に対する侵害による損害・
・ 原告は被告株主総会の同一日時集中開催並びに代理出席権を認められなか
・ったために、被告の右株主総会に出席し、議事に対し質問したうえ議決に加
・わるという株主としての重要な権利を行使することができなかった。
・ 右株主権侵害による原告の精神的損害(慰藉料)は一〇〇万円が相当であ
・る。
・六、結論・
・ よって原告は被告に対し、民法第七〇九条に基づき金一〇〇万円の慰藉料、
・並びに右金員に対する本訴状送達日の翌日から完済まで民法所定年五分の割
・合による遅延損害金の支払を求めて本訴に及んだ。

          証・  拠・  方・  法・
一、甲第一号証の一、二  被告会社並びに大和銀行の議決権行使書
一、甲第二号証の一、二  被告会社並びに大和銀行の株主総会招集通知
一、甲第三号証     「代理出席」と題するファクシミリ送付状

          添・  付・  書・  類・
一、甲各号証(写)        各一通
一、委任状             一通
一、商業登記簿謄本         一通

    平成一一年六月二八日

               右原告訴訟代理人
                弁護士  阪   口   徳   雄

                 同   辻       公   雄

                 同   松   丸       正
                 同   井   上   洋   子

                 同   池   田   直   樹

                 同   竹   橋   正   明

                 同   吉   田   之   計

                 同   中 世 古   裕   之

                 同   木   村   達   也

                 同   住   川   和   夫

・神戸地方裁判所 尼崎支部・ 御 中

          ・当・事・者・の・表・示・・

    〒六五九−〇〇四二 芦屋市緑町一〇の九
                原 告  木   村   陽   吉

・送達場所・〒五三〇−〇〇四七 大阪市北区西天満三−一四−一六
                     西天満パークビル三号館八階
               右原告訴訟代理人
                弁護士  阪   口   徳   雄
                   TEL〇六−六三一四−四一八八
                   FAX〇六−六三一四−四一八七

    〒五四〇−〇〇〇八 大阪市中央区大手前一−七−三一
                           OMMビル三階
               右 同
                弁護士  辻       公   雄

    〒五九〇−〇〇七七 堺市中瓦町一丁四番二七号小西ビル六階
               右 同
                弁護士  松   丸       正

    〒五五六−〇〇一三 大阪市浪速区戎本町一−九−一九酒井家ビル
               右 同
                弁護士  井   上   洋   子

    〒五四一−〇〇四一 大阪市中央区北浜三−一−一二萬成ビル四階
               右 同
                弁護士  池   田   直   樹

    〒五三〇−〇〇四七 大阪市北区西天満四−四−一八
                         梅ケ枝中央ビル二階
               右 同
                弁護士  竹   橋   正   明
               右 同
                弁護士  中 世 古   裕   之

    〒五三〇−〇〇四七 大阪市北区西天満一−九−二〇
                    第二大阪弁護士ビル三階三〇三
               右 同
                弁護士  吉   田   之   計

    〒五四一−〇〇四一 大阪市中央区北浜二−一−二三日本文化会館
               右 同
                弁護士  木   村   達   也

    〒五三〇−〇〇四七 大阪市北区西天満六−二−一一
                       梅ケ枝町パークビル二階
               右 同
                弁護士  住   川   和   夫

    〒一〇三−〇〇二七 東京都中央区日本橋一丁目九番一号
                被 告  ・野村證券株式会社   ・
                 右代表者代表取締役 氏 家 純 一

1999年6月(file-2117)

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