ISSフライデーレポート


グローバル・フォーカス:

ISSは住友銀行の株主提案を支持する
マーク・ゴールドスタイン

6月29日の住友銀行の株主総会に出された、取締役と監査役の報酬の詳細を株主に開示することを求める株主提案がISSの支持を得ることになった。大阪に拠点をおく投資家の権利グループである株主オンブズマンの支援をうけたこの提案は、毎期の株主総会で個々の取締役と監査役に支払われる報酬と賞与を株主に報告するように定款を修正することを要求している。くわえて、銀行が取締役および監査役に退職慰労金の支給を提案する際には、各退職者に支払われる金額を開示することを要求している。

日本のほとんどすべての会社と同様に、住友銀行は、現在、取締役と監査役の月額報酬総額の上限を開示するだけで、退職慰労金の金額あるいはその計算方法の詳細は開示していない。役員報酬は日本では一般に議論の的になっておらず、アメリカの基準では高くもないが、住友のような大銀行はこの通例の例外である。銀行の取締役報酬は、比較的高いという理由と、不良債権問題のために主要銀行は1999年に公的資金の大規模な注入を受け入れざるをえなかったという理由から、大きな関心を集めてきた。

住友銀行は取締役と監査役のプライバシーを守るという要求をこれ以上の情報開示をしない理由としてあげている。しかしながら、株主オンブズマンは、取締役と監査役は、株主の代理人として、彼らがどれぐらい支払われているかについて株主に知らせるべきであると考えている。なぜなら、退職慰労金は取締役会メンバーの全報酬の相当部分をなしており、報酬と年次賞与にくわえて、退職慰労金の金額が開示されることが重要であるからである。

今年の3月、日本の裁判所は、株主の質問に対して個別の報酬を開示することを拒否していたもう1つの銀行、南都銀行に敗訴判決を下した。この事件はまだ係争中であるが、ISSは、株主オンブズマンの提案は類似の株主訴訟から住友銀行を守ることによって、住友銀行に役立つであろうと信じる。提案はまた住友銀行が情報開示のリーダーとしての名声を確立するチャンスを提供している。そしてそれはさくら銀行と合併後の、世界最大の金融機関の1つとしてのその新しい地位にふさわしいものになるであろう。

住友銀行は住友系列の中心であり、実際、その最大株主は主にグループのメンバーである。それらの会社は、少なくとも自らの役員報酬が関心を引くことを欲していないがゆえに、この提案を支持することはまったくありそうにない。そして他の株主の支持を得ることは、白票の議決権行使書を経営者提案には賛成、株主提案には反対と自動的にみなす住友銀行の政策のせいでもっと難しいだろう。しかしながら、もし株主提案への賛成投票が銀行の株式の5パーセントになるなら、それは最大株主である住友生命の所有する比率を超えることになろう。株主オンブズマンは、そうなると経営者は投資家の関心を心に留めることを強いられるであろうと考えている。海外の投資家が住友銀行の株式のほとんど10パーセントを持つという状態で、5パーセントの支持は達成可能な目標であるように思われる。

■株主総会関連情報メニューへ戻る.