日本航空(JAL)に障害者の法定雇用率の達成を求める
    −−10月1日,株主3人が監査役に提訴請求通知−−

 通知人  日本航空株主  森 岡 孝 二
        同     三 宅 陸 郎
        同     木 村 陽 吉
 
 被通知人 日本航空監査役 原 貞  夫 殿
        同     黒 澤  洋 殿
        同     秋 山 喜 久 殿
        同     古 川 康 中 殿

  6月の集中日に開かれた日航の株主総会で,同社の障害者雇用率が法定雇用率の1.8%を大きく下回
る1.29%であり,ある種のペナルティとして不足人数に対して年間4600万円もの納付金を支払っていることが
判明しました。
  さきに株主オンブズマンが実施した上場企業の障害者雇用の実態調査では雇用率の平均は1.56%,納
付金の最高額は2850万円でしたから,日航は例外的に問題の大きな会社だと言えます。
 障害者基本法は,「すべて障害者は,社会を構成する一員として社会,経済,文化その他あらゆる分野の
活動に参加する機会を与えられる」(第3条2)としており,また障害者雇用法は,「すべて事業主は,障害者
の雇用に関し,社会連帯の理念に基づき,適当な雇用の場を与える共同の責務を有するものであって,進ん
で障害者の雇い入れに努めなければならない」(第10条)としています。その意味で,法定雇用率の達成は
企業の法的義務であり,社会的責任です。

  そうでありながら,法定雇用率を達成せず漫然と納付金を払ってすませることは,経営者としての責任が問わ
れる行為です。私たちは株主の立場から,取締役が障害者に関する法定雇用率の達成義務を怠った結果支
払った納付金を会社に生じた損害とみなし,損害賠償請求の訴えを取締役に対し起こすことを求めて,10月1
日付けで監査役に通知を送りました。このあと日航が30日以内に障害者法定雇用率を速やかに達成するため
に具体的年次計画を示さない場合には,株主が会社に代わって訴えを起こすことになります。

  なお,航空運輸業には乗務員など障害者の就労が困難な職種が含まれています。しかし,日航の1.29%と
いう障害者雇用率は,そうした特殊性を考慮した(つまり航空機への搭乗を職務とする者を除外した)数字です。
  したがって,航空運輸業の特性から障害者雇用率は低くてもしかたがないということではありません。むしろ,
働く意志と能力がある障害者が一般の労働者と同じように働ける会社でなければ,人にやさしい航空会社とは
いえません。