日本生命社員代表訴訟(準備書面)、住友生命社員代表訴訟(準備書面)

日生と住生の書面は、原告名および被告名が異なるのみで、内容は同じです..従って、
書面から各資料のA〜Eへは、日生の書面からクリックして参照して下さい.


平成一二年(ワ)第四六九二号
(日本生命社員代表訴訟)                     準備書面 (一)

原 告    ○○ ○○      外四三名
被 告    伊   藤 助   成  外一名

平成一二年七月五日

 右原告ら訴訟代理人代表
弁 護 士 松   丸     正

大阪地方裁判所 第一〇民事部合議係 御 中

一 国民政治協会の性格
 訴外会社の各年度の献金先は、財界が組織した財団法人国民政治協会である。
 国民政治協会は、財界から集めた金は、一九九七年度(一九九七年一月から同年一二月までの分)以降は、全 て自民党に寄附をしている。
 ちなみに、公表されている直近(一九九八年度分=平成一〇年度分)の収支報告書によると、同団体の収支は 次のとおりである。

A 収入総額 九四四二百万円 (一〇〇万円未満切り捨て)
  a.前年繰越額 二〇二六百万円
 b.本年収入額 七四一六百万円
B 支出総額
 a.経常経費 六四八百万円
 b.政治活動費 七五五四百万円
イ.自民党への寄附 七四八四百万円
ロ.その他 七〇百万円
 以上を見ると、国民政治協会が企業から集めた経常経費等を除く大半は自民党本部に寄附されている。

二 自民党本部は企業献金を何に使用しているか

1 一九九八年度分の自民党本部の収支報告書は、別表Aのとおりとなっている。この収支報告書には、政党助  成法に基づく交付金、ならびにその支出分も含まれている。
 政党助成法の収支報告書分は、別表Bのとおりである。
 自民党本部の収支報告書Aから政党助成法に基づく収支報告書Bを除外した収支報告書を作成すると別表Cの とおりである。この別表A、B、Cの関係を整理すると、別表Dのとおりとなる。
 別表Cの支出の部のうち、次年度繰越金を除外すると、約五五パーセントである六二億三千万円が「組織活動  費」に使用されている。

2 政党助成法に基づく収支報告書(別表B)の使途は、具体的に何月何日誰に幾らの金額が交付されたか、一目瞭然である。公表されている収支報告書をみても、大会費とか旅費交通費等、その明細を見ればその具体的使途が判明する。
 しかし、別表Aの「組織活動費」七〇億一千四百万円のうち、六二億三千万円(別表D参照)の明細を見ても、受け取った国会議員の氏名、日時、金額のみが記載されているだけである。

 3 一九九八年度の自民党本部の「組織活動費」の大口受取人の国会議員の氏名、日時、金額を調査したとこ ろ、別表Eのとおりとなっている。
 加藤紘一に四五回  合計九三,七一〇万円
 森喜朗に二三回    合計四一,二一〇万円
 橋本龍太郎に一一回 合計一三,二〇〇万円
  を支払っている。又、その支払方法も、
一九九八年六月一日  奥田幹雄  金一億円
 右同日          関谷脇嗣  金一億円
 右同日          宮下創平  金一億円
 右同日          西田司   金一億二千万円

 ちなみに、このように一回五〇〇〇万円以上の大口の金が一九九六年、一九九七年年度中に一回に支払われ ているケースは別表Fのとおりである。そのうちでも、
 一九九六年九月二六日 小里貞利  金三億円
 右同日 綿貫民輔 金三億円
 右同日 越智伊平  金三億円
 右同日 小泉純一郎 金三億円
 右同日 藤本孝雄 金一億円
等は金額の大きさという点で異例である。

4 しかも重大なのは、自民党本部から支給されたこれらの金の大半が、同人らの資金管理団体等にも一切記載 されていないのである。これらの政治家が選挙等に際して、党の支部や政治家等に寄附したとすれば、それが  ○○議員からの個人寄附としてその受け取った党の支部や政治家の収支報告書に記載される仕組みに法律 上なっているが、ほとんど記載されていない(三〇〇万円とか五〇〇万円の公認料等は記載されているが、一  〇〇〇万円を超える金額は全くない)。
 一九九六年度は、衆議院の選挙があり、一九九八年度は参議院の選挙があったのであるが、この前後に交付 された何千、何億の金はどこに使われたのか、少なくとも公表された収支報告書からは判明しない。

5 以上のとおり、大企業から集めた金のうち、自民党本部に献金されている金の大半は「組織活動費」として消え ている以上、企業はこの「最終使途が不明」の金を調達していることになるのである。いわゆる「アングラマネー」 と化している金を企業は献金しているのである。

三 取締役の善管注意義務違反
 取締役が政党に献金する以上、その金が何に費消されるのか明確に調査した上で献金をすべき注意義務があ る。寄附をする場合の当然の義務である。
 しかし、今回被告らが献金した金は、以下のとおり何に費消されているのか全く判明しない。むしろ、アングラマ  ネーと化している。アングラマネーと化すような企業献金は、そもそも一円たりとも寄附することは許されない。
 しかるに、被告らは、このような企業献金の「使途」について明確な調査もせず、漫然と国民政治協会、(自民党) に寄附することは取締役としての注意義務に違反し、違法である。


平成一二年(ワ)第四六九三号
(住友生命社員代表訴訟)    準備書面 (一)

原 告  ○○ ○○       外三八名
被 告  浦   上 敏   臣   外一名

平成一二年七月五日

 右原告ら訴訟代理人代表   弁 護 士 松   丸     正

大阪地方裁判所  第一〇民事部合議係 御 中

一 国民政治協会の性格
 訴外会社の各年度の献金先は、財界が組織した財団法人国民政治協会である。
 国民政治協会は、財界から集めた金は、一九九七年度(一九九七年一月から同年一二月までの分)以降は、全 て自民党に寄附をしている。
 ちなみに、公表されている直近(一九九八年度分=平成一〇年度分)の収支報告書によると、同団体の収支は 次のとおりである。

A 収入総額 九四四二百万円 (一〇〇万円未満切り捨て)
  a.前年繰越額 二〇二六百万円
 b.本年収入額 七四一六百万円
B 支出総額
 a.経常経費 六四八百万円
 b.政治活動費 七五五四百万円
イ.自民党への寄附 七四八四百万円
ロ.その他 七〇百万円
 以上を見ると、国民政治協会が企業から集めた経常経費等を除く大半は自民党本部に寄附されている。

二 自民党本部は企業献金を何に使用しているか

1 一九九八年度分の自民党本部の収支報告書は、別表Aのとおりとなっている。この収支報告書には、政党助  成法に基づく交付金、ならびにその支出分も含まれている。
 政党助成法の収支報告書分は、別表Bのとおりである。
 自民党本部の収支報告書Aから政党助成法に基づく収支報告書Bを除外した収支報告書を作成すると別表Cの とおりである。この別表A、B、Cの関係を整理すると、別表Dのとおりとなる。
 別表Cの支出の部のうち、次年度繰越金を除外すると、約五五パーセントである六二億三千万円が「組織活動  費」に使用されている。

2 政党助成法に基づく収支報告書(別表B)の使途は、具体的に何月何日誰に幾らの金額が交付されたか、一  目瞭然である。公表されている収支報告書をみても、大会費とか旅費交通費等、その明細を見ればその具体 的使途が判明する。
 しかし、別表Aの「組織活動費」七〇億一千四百万円のうち、六二億三千万円(別表D参照)の明細を見ても、受 け取った国会議員の氏名、日時、金額のみが記載されているだけである。

 3 一九九八年度の自民党本部の「組織活動費」の大口受取人の国会議員の氏名、日時、金額を調査したとこ  ろ、別表Eのとおりとなっている。
 加藤紘一に四五回  合計九三,七一〇万円
 森喜朗に二三回   合計四一,二一〇万円
 橋本龍太郎に一一回 合計一三,二〇〇万円
 を支払っている。又、その支払方法も、
 一九九八年六月一日  奥田幹雄  金一億円
  右同日          関谷脇嗣 金一億円
  右同日         宮下創平  金一億円
  右同日         西田司    金一億二千万円
 ちなみに、このように一回五〇〇〇万円以上の大口の金が一九九六年、一九九七年年度中に一回に支払われているケースは別表Fのとおりである。そのうちでも、
一九九六年九月二六日 小里貞利  金三億円
右同日 綿貫民輔 金三億円
 右同日 越智伊平  金三億円
 右同日 小泉純一郎 金三億円
 右同日 藤本孝雄 金一億円
等は金額の大きさという点で異例である。

4 しかも重大なのは、自民党本部から支給されたこれらの金の大半が、同人らの資金管理団体等にも一切記載 されていないのである。これらの政治家が選挙等に際して、党の支部や政治家等に寄附したとすれば、それが  ○○議員からの個人寄附としてその受け取った党の支部や政治家の収支報告書に記載される仕組みに法律 上なっているが、ほとんど記載されていない(三〇〇万円とか五〇〇万円の公認料等は記載されているが、一  〇〇〇万円を超える金額は全くない)。
 一九九六年度は、衆議院の選挙があり、一九九八年度は参議院の選挙があったのであるが、この前後に交付 された何千、何億の金はどこに使われたのか、少なくとも公表された収支報告書からは判明しない。

 5 以上のとおり、大企業から集めた金のうち、自民党本部に献金されている金の大半は「組織活動費」として消 えている以上、企業はこの「最終使途が不明」の金を調達していることになるのである。いわゆる「アングラマネ  ー」と化している金を企業は献金しているのである。

三 取締役の善管注意義務違反
 取締役が政党に献金する以上、その金が何に費消されるのか明確に調査した上で献金をすべき注意義務があ る。寄附をする場合の当然の義務である。
 しかし、今回被告らが献金した金は、以下のとおり何に費消されているのか全く判明しない。むしろ、アングラマ  ネーと化している。アングラマネーと化すような企業献金は、そもそも一円たりとも寄附することは許されない。
 しかるに、被告らは、このような企業献金の「使途」について明確な調査もせず、漫然と国民政治協会、(自民党) に寄附することは取締役としての注意義務に違反し、違法である。