日住金株主総会議事抄録  


 政府の住専処理策にそい、日住金側は営業譲渡を株主総会の議案として提出した。一方、株主オンブズマン側は真相糾明、営業譲渡反対、役員選出などの五議案を提出して、個人株主全員に対して営業譲渡反対の投票を呼びかける葉書を送った。そのため、政府の住専処理策の行方も左右しかねないという国民注目の株主総会となった。

 株主総会は午前10時に始まり、営業報告・会社提案・株主提案説明・質疑応答・採決の順に進み午後2時12分に閉会となった。日本住宅金融株主総会での発言の一部をここに再現してみたい。

≪株主提案の趣旨説明≫
*森岡氏:一時は2000円を超えた株価が現在では2〜3円である。これはまさしく株主を置き去りにした住専    処理である。日住金の「お葬式」ともいうべきこの総会の場で、情報を開示し、責任の所在を明確に    すべきだ。借り手責任の追及も全くなされていない。優良部門である個人向けローンだけを残して     日住金を再建する可能性を経営陣は検討したのか。
*和田氏:私は日本住宅金融の株式を投機としてではなく投資として保持してきた。今回このよう事態となって    も経営陣の責任は一切問われず、株主だけが損害を被るという状況に到底納得できない。前任者も含    めた責任の取り方はどうなるのか。

≪質疑応答≫
*三宅氏:緊急提案 日住金は今や一私企業ではない。広く世間の注目を集めており、マスコミも会場前にた    くさん詰めかけている。マスコミに株主総会を公開せよ。傍聴の許可を求める。
 会社側:総会のマスコミへの公開は適切ではない。

 鈴木氏:損失や不良債権ばかり指摘されているが、担保として保有している一等地が資産としてたくさんある    はずである。これらの土地を有効に活用し、高齢者向けの住宅や誰もが安く居住できる大衆向けのマン    ション販売へと事業方針を転換できるのではないか。
 会社側:貴重な意見をいただきありがたい。会社側としても様々な方向から会社再建の可能性を模索してき    た。しかし、残念ながら会社再建の見通しはまったく立たない。

*松丸氏:営業譲渡の契約は全て白地である。この営業譲渡によって株主の株券は全くの紙切れとなるので    ある。営業譲渡契約の額面は一体いいくらなのか。具体的金額はいくらなのか。
 会社側:営業譲渡まで時間がかかるので譲渡金額は確定できない。貸借対照表を見て参考にしてもらいたい

*松丸氏:出資者である株主に対してどのように営業譲渡するのかはっきりと情報開示を行うべきである。
 会社側:(回答無し)

*松丸氏:この総会で回答できないのであれば再度株主総会を開くべきである。
 会社側:(回答無し)

 加藤氏:会社の将来を左右する株主総会ならば、葉書一本で賛否を問うのではなく全ての株主の声を聞くべ    きである。
 会社側:申し訳ない

 特殊株主:私はXX同友会のものである。私のもとにもオンブズマンから営業譲渡に反対し総会出席を呼びか    ける葉書がきた。今日のような総会を私達は求めてきた。形だけでもいいから総会公開の賛否を問え。
 会社側:採決は行った。やることはやった。

*森岡氏:たくさんのマスコミが会場前に詰めかけている。総会を公開しないならば、私は本総会に参加した株    主オンブズマンの一員としてマスコミにコメントする義務がある。あなた方はこのように巨額(約1兆円)の    貸倒引当金を計上した事実を前にしても、ずさんな融資は一切おこなわなかったというのか。事実上は    無審査だったという大蔵省の指摘に対しても認識の違いですませるのか。
 会社側:1件もずさんな融資がなかったわけではない。京都支店の件はずさんだった。
    しかし、会社の経営に基本的な誤りはなかった。すべて土地本位制の崩壊の結果である。

(表決に入り、個人株主から異議ありの声が上がるが、母体行などの法人株主や社員株主等の賛成多数によって営業譲渡が僅差で成立する。)

発言者の*印は株主オンブズマンのメンバーである。


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