NHK経営委員の任務放棄と報酬の「怪」



2005年4月21日

株主オンブズマン




第1 NHKの経営委員の任務放棄
1 株主オンブズマンは、2005年2月16日、NHK経営委員会(委員長石原邦夫)に対し、「国会議員の報道番組に対する国会議員等の介入に関する要請書」を提出した。

2 これに対し経営委員会からは、2005年3月14日付で回答があった(資料1)
 「重要なのはNHKの役職員一人一人が視聴者の皆さまに対してご指摘のような疑念を抱かせないように実践、行動していくことであると考えています」とあるが、過去に国会議員の介入等の疑念があったと指摘して経営委員会のもとに外部委員を入れて調査するよう要求しているのであるから、これに対して、するかしないか、しないなら何故しないのかを経営委員会として真正面から視聴者に明確に回答すべきであった。
 それをしないで、「今後ともコンプライアンス体制の強化や視聴者本意の事業運営の徹底に向けて取り組むのでご理解を賜りたい」と将来の問題にすり替えることは、NHKの理事を監督すべき立場の経営委員会としての任務放棄であると思われる。

3 NHK経営委員はNHKから高額の報酬を受けており、NHKの理事らの嫌がることはしないこともあると考え、私たちは、予め経営委員会の報酬実態について、次のとおり開示請求をしていた。


第2 NHK経営委員の報酬の「怪」
1 経営委員の報酬等の開示請求
  NHKの経営委員の報酬等について開示請求した内容は次のとおりであった。
 (1) 2004年1月から12月までの経営委員の各人別報酬実績

 (2) 経営委員の報酬支給基準

 (3) 経営委員会の勤務実態を示す文書

2 NHKの回答
 (1) 経営委員の各人別報酬実績は「個人に関する個人情報」であるという理由で開示を拒否した。しかし、平成17年度の標準となる報酬年額は、経営委員長704万円、経営委員長職務代行者633万円、経営委員563万円であると開示してきた(資料2)

 (2) 経営委員報酬支給基準が明らかになった(資料3)。これによると、経営委員の報酬は1日55,000円で、「会議手当は日額をもって定め、会議ならびに打合せの勤務日数に応じて支給する。」とあった。

 (3) 経営委員の勤務実態を示す文書については存在しないと回答してきた。その上、「打合せ」の具体的内容については、「電話やインターネット....多岐にわたっています」との回答であった(資料4)

3 経営委員の報酬はどのように具体的に決定されているか全く不明
 経営委員会の報酬は「会議及び打合せの勤務日数による」のであるところ、その打合せ等を示す「勤務実態を示す文書」が不存在。2004年度の経営委員の報酬として総額金84,345,000円が支給されている。経営委員は1ヶ月に2回経営委員会に出席しているが、関係者からの情報によると、それ以外に、委員長なら1ヶ月に10日、委員長代行者なら9日、一般委員なら8日程度打合せをしたかの外形を作るため電話をしたりメールをしたりしているのではないかとの情報が寄せられた。もしそうであるなら、NHKは、必要もないのにあたかも経営委員の報酬を高くするため「打合せ」をした外形を作りだしているのではないかとの疑いが持たれる。大阪市並のカラ会議、カラ打合せである。
 それにしても、「打合せ」を示す文書が存在しなければならないのにそれが不存在であることは、ますます「打合せ」の実態について疑惑を生じさせる。いわゆるカラ打合せが行われていると批判されても、HNK、経営委員は反論できない。
 NHKの経営委員は、外部委員として、NHKの理事、役員を監視する役割を持っている。このように勤務実績も明確でないのに、経営委員長で800万円〜900万円、一般の経営委員で600万円〜700万円の馴れ合い報酬を受け取っていては本当の監視は出来ない。
 外部委員を入れて国会議員の番組介入疑惑を調査せよと要求しているのに経営委員会がそれをしない本当の理由は、上記のごとき、自らの経営委員の報酬の「怪」にあると思わざるを得ない。

資料1 「報道番組に対する国会議員等の介入等に関する要請書に対する回答について」
資料2 「文書不開示のご連絡」
資料3 「経営委員会委員報酬支給基準」
資料4 「文書一部不開示のご連絡」
       経営委員の打合せ実態にかかる文書は存在しない。打合せとはメール等も含
       むと回答。


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